Project/Area Number |
01601520
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 裕一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90027285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 超過洪水 / 河川改修 / 中小河川 / 減災力 / 護岸 / 河岸侵食 / 斜面安定 / 洪水災害 |
Research Abstract |
計画出水を対象とするため、河川改修工事の超過洪水に対する防災力は通常無視されているが、その場合の被災も改修の程度が高いほど軽微となるべきであろう。また、超過洪水の頻度の高い中小河川において、改修河道がその度に壊滅的な打撃を受け、それ以前の治水投資が無に帰す状態が受容されていると、改修投下資本の長期的蓄積は望めず、結局中小河川の全体的な治水水準の向上を妨げられるので、これを一種の社会資本としてストックされるようにすることの重要性が指摘される。 上述の観点から、改修前後に超過洪水の生じた中小河川の例として、昭和58、60、63年と豪雨災害が続き、その間の59〜61年に全面改修された島根県西部三隅川水系の井川川と矢原川を取上げ、河道調査と被災前後の空中写真に基いて、超過洪水に対する河川改修の効果を考察した。 非改修の58年災害では、原河道を無視して洪水が流れ、堤内地に大被害を与えたが、改修後の洪水は、湾曲部などで溢流しながらも河道に沿って流下し、堤内の侵食・堆積は激減していた。このように、改修による河積増加と護岸施工は超過洪水を大きく緩和したが、湾曲部では、河道内に大量の土砂が堆積する一方、内・外岸で護岸の倒壊や堤内地の侵食が生じ、改修河道の平面線形の選択が超過洪水災害に直結していた。 このような、河川改修の超過洪水に対する減災効果を評価するための基礎として、溢流しながら流下する洪水の数値モデルを有限要素法に基いて定式化したが、水位低下による地盤の露出時と地盤高の急変する護岸付近の取扱いに困難な点のあることが判った。一方、超過洪水時の護岸被災は、基本的に直線河道の溢流に伴う裏込め土の不安定によって生起し、堤防や河岸の破壊過程と同一の観点から扱えるものであるので、これに関して、ヤンブ-法に基いた堤防・河岸斜面安定プログラムを開発し、実測河岸変化に適用してよく一致する結果を得た。
|