日本周辺地域への適用を考慮した多国間酸性雨輸送の予測の為の総合モデルに関する研究
Project/Area Number |
01602029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北田 敏廣 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40093231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 洋匡 国立公害研究所, 大気環境部, 室長 (70026186)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酸性雨 / 長距離輸送 / 大気汚染物質の輸送・反応モデル / 雲物理 / 降雪 / 降雨 / 東アジアの大気環境 / 地球規模汚染 |
Research Abstract |
北部九州や島根県など日本海沿岸の諸地域における最近の観測データは、冬期季節風時及び梅雨期等大陸側からの気流が卓越する時期に酸性物質降下量のピークがあることを示している。従って、これらの物質に大陸起源のものが多く含まれている可能性を示唆している。大陸起源の汚染質は、排出後、移流、拡散、乾性沈着、気相・液相化学反応などの諸過程を経て酸性物質に変換されて行くものであり、酸性物質降下量の予測の為には、中国大陸における排出源分布に関する情報とともに、これらのプロセスを組み込んだ輸送・反応モデルの使用が不可欠である。とりわけ、湿性沈着は日本付近での降雨や降雪に基づくものであるから、モデルは、これらの雲物理過程をうまく組み込めるとともに、雲水、雨、雪などでの適切な液相化学反応を含むものでなければならない。 本研究は、(1)以上の諸過程を含んだ、気相・エアロゾル相物質(NO、NO2、HNO3、NO3、SO2、SO4、O3、H2O2、炭化水素など)及び液相物質(NO3、SO4、S(IV)、O3、H2O2など)に関する総合的な輸送・反応モデルを開発し、(2)大陸から飛来する酸性物質の推定を目指したものである。その結果、(1)筆者等の地域スケールモデル(JCAM,1984;Atmos.Emvir.,1986)を基礎にして、植物起源の炭化水素を含めて60の気相(エアロゾル相)物質と8種類の液相物質に関する3次元・非定常の長距離輸送・反応モデルを構成するとともに、(2)酸性雨解析に適した雲物理モデルを組み込んで(雲水、雲氷、雨、雪、雪あられの各相を含む)、冬期季節風時のロール状渦に伴う降雪の解析を行ない良好な結果を得た。現在、この季節風に伴う酸性物質の生成、輸送の解析を進めている。結果は、論文リストの一番めで発表する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)