環境変異原の非酵素的活性化機構によるDNA損傷とその複合汚染における役割
Project/Area Number |
01602512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川西 正祐 京都大学, 医学部, 講師 (10025637)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | DNA損傷 / 6価クロム / コバルト(II) / ニッケル(II) / 過酸化水素 / OHラジカル / 一重項酸素 / ベンゼン |
Research Abstract |
変異原や発がん物質が有機化合物の場合には、薬物代謝酵素によって活性化されDNAと不可逆的に結合することが知られている。しかし、重金属化合物や一部の有機化合物では、薬物代謝酵素以外の機構で活性化されDNA損傷をもたらす場合があり、その機構を解明することが本研究の目的である。これまで6価7クロムが過酸化水素の存在下で、OHラジカル、一重項酸素などの活性種を生成し、DNA鎖の切断と塩基の損傷をもたらすことを報告した。またニトリロ三酢酸鉄(III)キレ-ト、コバルト(II)およびニッケル(II)についても、過酸化水素の存在下で、OHラジカル、一重項酸素、金属酸素錯体をそれぞれ生成し、DNA損傷をもたらすことが示された。Maxam-Gilbert法を併用した結果、生成する活性種により塩基損傷の特異性が異なることが判明した。重金属化合物が、それ自身では発がん性を持たない程度の微量の過酸化水素の存在下で活性種を生成し、DNA損傷をもたらす反応は重金属の発がん過程にとって重要であると考えられる。ベンゼンの代謝物である1.2.4-ベンゼントリオ-ルが銅(II)イオンの存在下で、OHラジカルとは異なる活性種を生成し、DNA損傷をもたらすことを明らかにした。オルトフェニルフェノ-ル(OPP、防カビ剤)の代謝物である2.5-ジヒドロキシビフェニルが銅(II)の存在下で、また2-フェニル-1.4-ベンゾキソンが銅(II)と過酸化水素の存在下でDNA損傷の代謝物が、金属や他の生体内物質により非酵素的に活性化される場合があることを示すものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)