人工細胞を用いる細胞間情報伝達機構の解明とその医療への応用
Project/Area Number |
01604013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
砂本 順三 京都大学, 工学部, 教授 (80037811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智典 長崎大学, 工学部, 助手 (00162454)
秋吉 一成 京都大学, 工学部, 助手 (90201285)
広田 正毅 長崎大学, 医学部, 助教授 (00109224)
珠玖 洋 長崎大学, 医学部, 教授 (80154194)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 人工細胞 / 細胞間情報伝達 / 糖鎖認識 / ガングリオシド / 人工ワクチン / 人工境界脂質 |
Research Abstract |
本研究では、糖鎖認識機構に基づく細胞間伝達システムを、多糖類、膜糖タンパク質および糖脂質をアッセンブリーした人工細胞リポソームを用いて分子レベルで解明し、種々の医用材料への応用を図る事を目的としている。本年度は、昨年度にひき続き癌抗原としての膜糖タンパク質および糖脂質を再構成したリポソームワクチンの成果を報告する。 1.ガングリオシド再構成リポソームによる人工ワクチン 本研究者らは、すでにトリ(GT)およびテトラシアロガングリオシド(GQ)を組み込んだ多重層リポソームで免疫したマウスにおいて、皮下移植メラノーマ細胞に対する高い腫瘍拒絶効果がみられることを報告した。今回は、人工ワクチンで免疫したマウス血清中の抗ガングリオシド抗体の力価を測定し、細胞レベルでの抗腫瘍活性発現の機構を検討した。免疫マウス血清の抗体価は、GT、GQで免疫した場合でも抗GM、GO、GTおよびGQ抗体の全てが産生し、産生量は免疫を重ねるごとに上昇した。GT、GQ含有リポソームが免疫系全体を非常に活性化し得ることが明らかとなった。 2.抗原提示糖タンパク質再構成リポソームワクチン 我々は、独自に開発した人工境界脂質を用いることで、赤血球等の実細胞からリポソームに直接、膜タンパク質を効率よく移行し得る事を報告した。この手法を利用して、癌細胞(RVD)から抗原提示タンパク質を直接リポソームに移行、再構成させることにより、リポソームワクチンを作成した。これを用いて免疫誘導実験を行ったところ、きわめて高い腫瘍拒絶効果がみられた。我々の開発した方法は、従来法と比較して抗原性タンパク質の化学的変性も起こらず、より高い免疫能が認められ、新しいワクチン調整法として今後もおおいに展開が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)