II-VI族化合物半導体中の3d遷移金属不純物の電子状態-物質設計-
Project/Area Number |
01604506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 博 東北大学, 理学部, 助手 (30133929)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 青色発光 / II-VI族化合物半導体 / 固体電子論 / 不純物 |
Research Abstract |
不純物と母体原子を含む単位胞を無限に並べたス-パ-セル法と密度汎関数法に立脚したノルム保存型擬ポテンシャル法とによって、結晶構造や対称性を仮定することなく不純物原子と母体原子を原子レベルで動かしながら電子状態や結晶構造を非経験的にきめるDynamical Simulated Annealing(DSA)法と呼ばれる計算方法の開発を行った。DSA法では、非経験的分子動力学法に基づいて格子緩和の最適化と電子状態の計算を同時に行なう。青色発光ダイオ-ドの開発に必要なp型ZnSeをつくる場合に問題になっているLiをアクセプタ準位の候補として選び、DSA法を用いてZn置換位置周辺でのLiの移動エネルギ-と構造安定性を計算し、Liアクセプタとしての不安定を解明した。 考慮した不純物系に対して計算された全エネルギ-を比較すると、Li_<zn>→Li_i+V_<zn'>の反応に必要なエネルギ-は電荷の移動を考えない場合1.5eVである。ここで、Li_<zn>、Li_<zn>はそれぞれZn位置、格子間位置にあるLiを表し、V_<zn>はZn位置の原子空孔を表す。電荷の移動とp型の化学ポテンシャルを考慮すると、Li_iからV_<zn>への電荷の移動により約3eVのエネルギ-利得が期待される。したがって、Li_<Zn>はLi_i^+とV_<Zn>の形成に関して不安定になると結論することができる。低温でド-プされたLiが、室温ではアクセプタ中心としては不安定であるのはこのためであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)