Project/Area Number |
01604511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 昭彦 東北大学, 薬学部, 助教授 (50091658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 長夫 東北大学, 薬学部, 助手 (60124575)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ポリペプチド / アゾベンゼン / α-ヘリックス / 光異性化 / 円偏光二色性 / コンホメ-ション |
Research Abstract |
光受容残基と長鎖アルキル基の両者を含有するポリペプチドを合成し、光による二次構造変動について検討した。n-オクタデシルーL-アスパルテ-トとP-フェニルアゾベンジルーL-アスパルテ-トとの共重合体のうち、溶液中で最大の光誘起二次構造変化を示したアゾベンゼン89%のポリマ-について、フィルム状態での光応答挙動を25℃で検討した。可塑剤無添加のフィルムでは、光異性化は進行するが光による二次構造の変化は困難で会った。ポリマ-と可塑剤の重量比が1:0、1:2、1:12、1:60のフィルムを作製し、光による二次構造変化を検討したところ、220nm近傍の円偏光二色性スペクトルは、1:0、1:2、1:12のフィルムについては光照射による変化は微小であったが、1:60のフィルムについては左巻ヘリックスのピ-ク強度が約20%減少した。かくして、環境を柔らかくすれば、二次構造変動が可能であることが示された。新しい膜類似光応答ポリペプチドとして、アゾベンゼンが長いアルキル鎖をもつ共重合体を合成した。ポリーγ-メチ-ル-L-グルタメ-トと(p-ドデシロキシ)フェニルアゾベンジルアルコ-ルを用い、エステル交換反応によりアゾベンゼン含量19、26、46%の共重合体が得られている。アゾベンゼン含量19、46%の共重合体について二次構造の温度依存性を検討したところ、いずれの共重合体も、20℃では右巻α-ヘリックスの円偏光二色性のパタ-ンを示すがその強度は昇温により減少した。特に、アゾベンゼン含量46%のポリマ-では、60℃以上で顕著な不安定化が観察された。興味深いことに、20、40、80℃で余り光の効果が見られないのに、60℃では光照射により二色性強度が32%も減少した。このポリマ-は、60近傍で、安定-不安定のバランスが微妙になっており、側鎖の構造変化によって大きな二次構造変化が起こったものと推測される。
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