Project/Area Number |
01604530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 走磁性細胞 / 磁性細菌粒子 / 抗原抗体反応 / 磁気誘導 / 蛍光標識抗体 |
Research Abstract |
走磁性細菌は、その菌体内にマグネタイトの磁気微粒子を常温・常圧の温和な条件下で合成する。この磁性細微粒子は粒子経約100mmで単磁区構造を取り、周囲は一様に有機薄膜によって覆われているため、分散性に優れている。すでに申請者らは、この磁性細菌粒子へ酵素や抗体の固定化を行い、人工の磁気微粒子に比べ固定化量が多いことを示した。この有機薄膜に覆われた磁性細菌粒子に抗体を固定化することにより、磁気誘導可能な分離・認識機能を有するハイブリッド材料を設計することができる。本研究は新しいハイブリッド材料としての抗体固定化磁性細菌粒子の作製を目的として、平成元年度は磁性細菌粒子を覆う有機薄膜のキャラクタリゼ-ション、抗体固定化磁性細菌粒子調製のための最適条件の検討、蛍光標識抗体固定化磁性細菌粒子を用いたフルオロイムノアッセイによるアレルゲンの検出などについて行った。磁性細胞粒子を覆う有機薄膜を分析したところ、主な成分として脂質、なかでもホスファチジルエタノ-ルアミンを多く含むことが明らかになった。次に、磁性細胞粒子をグルタルアルデヒドで処理した後、FITC標識抗マウスIgG抗体を固定化した。この調製した蛍光標識抗体固定化磁性細胞粒子が抗原抗体反応により凝集することで起こる蛍光強度の減少からアレルゲンを検出する原理のフルオロイムノアッセイを行った。上記の磁性細胞粒子とIgGのサンプルを混合し、37℃、15分間抗原抗体反応を行い、この試料をゼラチン1%を含む緩衝液に分散させ、蛍光分光光度計により、蛍光強度を測定した。反応時、外部より磁石を用いて、磁性細胞粒子を凝集させると、明らかに抗原抗体反応に基づく特異的な凝集反応が促進された。相対蛍光強度は5分後に50%、15分後にほぼ20%までに減少し、定常になった。以上のように、抗原抗体反応による凝集に基づく蛍光強度の減少から、アレルゲンの検出が可能であることが示された。
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