原子状水素制御によるZnSe結晶の低温成膜に関する研究
Project/Area Number |
01604532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 勇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半那 純一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00114885)
白井 肇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30206271)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ZnSe結晶成長 / ヘテロエピタキシャル成長 / 非平衡材料 / コヒ-レント成長 / 格子緩和 |
Research Abstract |
有機金属化合物(ジエチル亜鉛(DEZn)、ジエチルセレン(DESe))を原料とし、原子状水素を付活剤とする新しい結晶成長法で、ZnSe結合のGaAs(100)基板上へのヘテロエピタキシャル成長を行った。この方法では、Zn系前駆体の基板上での吸着/脱着平衡とSe前駆体との活性化形の反応から成る擬似平衡状態での結晶成長であるため、200℃程度までの低温で高品質のZnSe結晶成長が可能となった。結晶性に加えて、点欠陥の低温をはかるため、II/VI原料供給比をパラメ-タ-に、蛍光スペクトル測定結果より、その制御性を検討し、II族原料過剰の領域で、短波長領域の励起子発光が強くなり、点欠陥の低減の可能性が見い出された。また、膜中の不純物量として、C,O,H,Nをそれぞれ、SIMS測定で検出したところ、基板に用いたGaAs結晶とほぼ同程度で、低温にも拘らず、高密度のZnSe結晶が育成できたことが確認された。 この低温成長法と特徴として、異なる結晶の成長界面に生ずる歪みを保持した基板とのコヒ-レント成長が著しく安定に起こることが確認された。基板温度230℃で成長したZnSe結晶では、3μm厚を越えてもコヒ-レント成長を保持し、2結晶XRDロッキングカ-ブより評価した結晶性も高いことが確認された。また、このようにして作製されたコヒ-レントZnSe膜(0.1〜0.3μm厚)の薄層では、500℃の熱アニ-リングによっても格子の緩和は認められない程の強固な構造が得られた。このような安定な非平衡構造が得られたことは、原子状水素による界面の清浄化と、化学反応を主体とし、より平衡状態に近い擬似平衡状態を前駆体の組合せによって達成できたことに因る。ZnTe結晶のヘテロエピタキシャル成長も試み、ZnSeと同様な結果が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)