新しい微生物ポリエステルの分子構造と分離・認識機能との相関性
Project/Area Number |
01604533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土肥 義治 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (40016639)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 微生物ポリエステル / 水素細菌 / 生分解性高分子 / 機能材料 / 分解酵素 / 酵素分解性 / 加水分解性 / 生分解性 |
Research Abstract |
水素細菌Alcaligenes entrophusに吉草酸と酪酸を与えると、3-ヒドロキシブチレ-ト(3HB)と3-ヒドロキシバリレ-ト(3HV)とのランダム共重合ポリエステルが発酵合成できることを見い出した。炭素源組成を変えることによって、共重合体の3HV分率が0-95モル%までの広い範囲にわたり調節できることを明らかにした。また、A entrophusに4-ヒドロキシ酪酸を与えると、3HBと4-ヒドロキシブチレ-ト(4HB)との新しいランダム共重合体が発酵合成できることを見い出した。共重合ポリエステルの数平均分子量は、105から505の範囲にあった。バイオポリエステルの最も大きな特性は、土や海にすむ微生物が分泌するP(3HB)分解酵素によって分解される生分解性にある。筆者らは、A.faecalisから単離、精製した分解酵素を用いて、ポリエステルフィルムの分解実験を行った。酵素分解速度は、4HB共重合体>P(3HB)>3HV共重合体の序列で低下した。FT-IR,GPC,電子顕微鏡観察から、分解酵素が疎水的なフィルム表面に吸着し、表面に露出しているポリエステル分子鎖を順々に有機酸に分解するメカニズムで酵素分解することを見い出した。酵素分解性は、物性と同様に、ポリエステルの分子構造と共重合組成によってコントロ-ルできることを明かにした。バイオポリエステルは、酵素分解速度に比べて2-3ケタ程度もゆっくりした速度ではあるが、酵素の存在しない環境でも水によって分解された。ポリエステルフィルムの加水分解は、数十日程度の誘導期を経たのちに、フィルム内部で一様に徐々に進行した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)