機能性人工アミノ酸を含むペプチドや蛋白質を基幹とするバイオエレクトロニクス材料
Project/Area Number |
01604534
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宍戸 昌彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (60026268)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ポリペプチド / 電子移動 / 光化学 / 光異性化 / 光記録 / 液晶 / ゲル |
Research Abstract |
生体内電子移動を人工的に再現するため、電子供与性のp-ジメチルアミノフェニルアラニン(D)と光励起状態で電子受容性となるピレニルアラニン(P)の二種の人工アミノ酸を一対だけ含むポリペプチドが合成された。DとPとの間にスペ-サ-としてのアラニンをm個導入し、mを0,1,2と変化させることによってD-P間距離を5.4,9.4,5.5オングストロ-ムと変化させることができた。これらについて電子移動速度を測定した結果、つぎの事項が明らかになった。(1)電子は1μ秒の間に10オングストロ-ム程度しか移動しない。(2)電子はポリペプチド骨格に沿って移動するのではなく、空間的に近接した残基へと移動する。(3)電子移動で生成したピレンアニオンラジカルは約60μ秒以上安定に存在する。すなわちポリペプチドの剛直な構造を利用すれば光電子移動によってアニオンラジカルを効率よく発生させることができ、生成したアニオンは後続反応に利用するのに十分な長い寿命を持つことが示された。 一方光異性化を起す事で知られるアゾベンゼンを側鎖にもつ人工アミノ酸も合成され、それらを含むポリペプチドが得られた。このポリペプチドは光照射によって旋光度を可逆的に変化させるので、旋光度読み出し光記録材料として有望と考えられる。 上のような機能分子を材料として用いるためには、それを巨視的な配向を保って固定する必要がある。そのためポリペプチドの形成するリオトロピックなコレステリック液晶を化学架橋し、液晶構造を保ったゲルを始めて作製した。これにより光・電子変換やヘリックス-コイル転移などの分子機能を巨視的な材料機能に展開する道が拓かれた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)