Project/Area Number |
01604540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐治 哲夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60142262)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 有機薄膜 / 有機顔料 / 界面活性剤 / フェロセン / ミセル / 電解 / 銅フタロシアニン / 分散 |
Research Abstract |
1.研究目的:黙近、我々は、酸化還元能を有するフェロセンを導入した界面活性剤(1)の水溶液にフタロシアニン等の顔料を分散させ、この界面活性剤を電気化学的に酸化することにより、電極上に顔料の有機薄膜を作製できることを発見した(ミセル電解法)。その後の研究でフタロシアニン以外の顔料も薄膜化に成功し、本法が非常に有用な有機薄膜の作製法であることが明らかとなりつつある。そこで、本研究では、ミセル電解法により薄膜化できる顔料の範囲、得られる薄膜の形態、薄膜の生成条件等を検討することを計画した。 2.研究実績:(i)ミセル電解法の適用範囲の検討。電解液には2mM 1,0.1M LiBrの水溶液に10-20mMの顔量を加え、10分間超音波処理後、3日間攪拌し、その上澄み用いた。薄膜は、ITOを電極として+0.5V vs.SCEで定電位電解して作製した。検討した17種の顔料のうち14種の顔料の成膜に成功した。(ii)薄膜の形態の検討。得られた薄膜のSEM写真より、これらの薄膜は粒子より構成されており、また、使用した顔料の加えた顔料のサイズおよび形状のそれらと一致していた。また、その断面写真より、これらの薄膜は均一な膜厚(約0.5-数μm)を有していることがわかった。つぎに、電解時間を変えたところ、膜厚は電解時間により制御可能であった。また、α,β,ε-CuPcの薄膜の吸収スペクトルは、相応する結晶型特有の吸収ピ-クと一致していた。以上のような実験結果より、ミセル電解法の長所として(1)水に難溶または不溶で界面活性剤溶液に分散する粒子サイズが0.5μm以下の広範囲の顔料の微粒子を容易に薄膜化できる、(2)膜形成物質を電解しないで界面活性剤のみを電解するので、膜形物質の結晶型および化学構造が変化せずにそのまま膜を形成する、(3)膜厚の制御が容易である等があることが明らかとなった。
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