Project/Area Number |
01604583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 百合子 信州大学, 繊維学部, 助手 (10211690)
薮下 聡 広島大学, 理学部, 助手 (50210315)
斎藤 昊 広島大学, 理学部, 助教授 (00033853)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ポリアセチレン / ド-パント / 強い結合の近似 / パイエルス不安定性 / HOMOエネルギ-帯 / LUMOエネルギ-帯 / 温度センサ- / スイッチング素子 |
Research Abstract |
本研究は、昭和62年度、63年度も公募研究として採用されており、本年度もその公募研究として採用されたものである。 一昨年、昨年とつづいて、ポリアセチレンおよびその誘導体の電子状態を、強い結合の近似で計算して、そのエネルギ-帯構造を求めた。さらに、分子構造が、どのようにエネルギ-帯構造と関連するかをみるために、Through Space/Bond相互作用解析をおこなった。しかし、このポリアセチレンおよびその誘導体には、パイエルス不安定性による結合交替があるために、禁制帯が生じて、電気伝導性のよい高分子を得るのが、むづかしいことが知られている。 そこで、本年は、この性質をうまく利用するためのド-パント系を考えた。すなわち、ポリアセチレンのフッ素あるいはヒドロキシ誘導体を考えて、これと種々のド-パント相互作用させた。そして、Beが、比較的禁制帯の巾を小さくすることをみい出した。このとき、HOMOのエネルギ-帯は、Beの2s軌道成分を多く含むことがわかった。また、LUMOは、ポリアセチレン主鎖の2pπ^*軌道のウエイトが大きいことがわかった。 この系は、新しい温度センサ-、あるいはスイッチング素子になる可能性があることを指摘した。すなわち、絶対零度では、HOMOとLUMOのエネルギ-帯は、対称性が異なるために、BeのHOMOから、ポリアセチレンのLUMOへの電子移動が生じない。しかし温度が上昇すると、電子移動が生じ、ポリアセチレンが負に帯電して、パイエルス不安定性がおさえられる。この傾向が強くなると、結合交替の消滅によるLUMOバンドの下端が低くなり、BeのHOMOの上端と一致するようになる。この時、系は伝導体に転移するので、これを温度センサ-あるいはスイッチング素子に用いることができよう。
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