Project/Area Number |
01606003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小尾 欣一 東京工業大学, 理学部, 教授 (10016090)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥31,400,000 (Direct Cost: ¥31,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥31,400,000 (Direct Cost: ¥31,400,000)
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Keywords | 量子カオス / 光一光二重共鳴 / 外部磁場効果 / 多光子イオン化 / 内殻イオン化 / 励起酸素原子 / フェムト秒化学 / 衝突誘起吸収 |
Research Abstract |
1.高振動励起分子:アセチレンや二酸化硫黄の高振動励起状態において、基準モードを維持するか、またモード間結合のためカオス的振舞いをするかどうかを蛍光分散分光法と誘導放出励起分光法によって研究し、いずれも解離エネルギーの半分近くの高エネルギー状態でも基準モードを保存しているか、量子カオス状態への移行の徴候が見い出された。 2.回転振電準位構造:光一光二重共鳴法により二酸化窒素の可視領域吸収の回転構造から、準位混合を解析し、dark stateの存在を確認した。また、ピリジン、Sートリアジンの蛍光特性に現われる外部磁場効果から励起分子のダイナミックスにおける磁場効果の機構を明らかにした。 3.光イオン化とイオンの反応:Zn、Al、Biのメチル化合物について、内殻電子をイオン化した場合の解離過程をコインジデンス法で調べ、イオン化に伴う解離機構について統一的な解釈が得られた。また、金属の多光子イオン化で生成した金属イオンと有機化合物のモノマーまたはクラスターの反応の機構について解析した。 4.励起酸素原子の反応:シランと励起酸素原子の反応では、振動、回転励起したOHラジカルの生成が主要経路であることを明らかにし、2次反応過程についても検討を加えた。 5.理論的考察:光励起状態の核波束(振動状態コヒーレンス)が伝幡するかを解析し、最近注目されているフェムト秒化学理論の基礎を与えた。また、励起分子のエネルギーと物性、化学反応とダイナミックスを記述する汎用性のある量子化学理論として、EGWF/EX-EGWF理論とそのプログラムシステムを完成した。さらに、CsXe系の衝突誘起吸収過程をSAC-CI法で研究し、その本質を明らかにした。
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