声帯-声道-声道壁振動を考慮した音声生成モデルに基づく音声分析
Project/Area Number |
01608502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 久喜 静岡大学, 工学部, 教授 (90006221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 孝芳 静岡大学, 工学部, 助手 (90109132)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 音声生成モデル / 声帯・声道モデル / 声門下部構造 / 声道壁振動 / 声道壁インピ-ダンス / 声門不完全閉鎖 |
Research Abstract |
音声の本来持っている個人差や人の声らしさをよく表現できる音声分析を行うには、現実の発声機構と放射機構を従来よりも精密に近似した音声生成モデルを構築し、それに基づく分析技法を確立する必要がある。本研究はそのようなモデルとして、基本的な声帯振動モデルと声道の音響管モデルに対して声道壁振動による音響放射と声門下部構造とを組み込んだ音声合成の計算機シミュレ-ションを行うと共に、実際の音声の音響と振動を観測して、分析と合成の両面からの検討を行う。本研究課題は3年計画で昭和62年度に開始され、本年度で一応完了する。これまでの成果を含め、主に平成元年度に得られた結果を次に列記する。 1.声道壁インピ-ダンスを測定し、その結果生ずる声道壁振動のモデル構築の基礎を固めた。 2.声帯振動の2質量モデルおよび声道の音響管モデルを基礎にして、これに声道壁振動による声道壁からの音響放射と声門下部構造を考えに入れた音声合成の計算機プログラムを開発した。 3.口腔と鼻腔の隔壁の振動によって一般には鼻音化していないと考えられている母音や子音の発声の際にもある程度の鼻音化が生ずる現象を定式化した。 4.上記の現象に関して実際の発声における音響と振動の実測デ-タを収集し、各種の音素について定量的な考察をした。 5.声帯の不完全閉鎖の現象をモデル化した音声合成のシミュレ-ションを行い、声門下部構造の影響によって声門流が変化することや零無しの声道でも伝達関数やスペクトルに零点が出現する現象を示した。 6.本研究により音声波形の中の声門閉鎖区間と声門開口区間を分離抽出して新しい分析情報の得られる可能性が示唆されたが、それを発展させるのは今後の課題としたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)