Project/Area Number |
01611502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 裕子 (永原 裕子) 東京大学, 理学部, 助手 (80172550)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 蒸発 / 真空実験 / 斜長石 / 輝石 |
Research Abstract |
隕石をはじめ惑星を構成する最も主要な鉱物はかんらん石、輝石、斜長石であり、いずれも固溶体鉱物である。固溶体の端成分はMgとFeあるいはCaとNaのように著しくvolatilityの異なる元素で、特に斜長石のAb端成分はNaとAlという極端にそれが異なる成分を含む。最近の太陽系形成モデルの多くは星雲の完全ガス化は太陽のごく近傍を除いてはおこらなかったことを指摘している。従って固体鉱物が部分蒸発の際おこす主要・微量・同位体組織のfractionationは重要な位味をもつ。今年度は斜長石、輝石に関して真空炉で加熱、部分蒸発の実験をおこない、残渣の化学組成を調べ、主要成分に関する相図を作製した。斜長石に関してはすでに、蒸発ガスと残渣の組成は温度や圧力に依存しないことが明らかになっていた(Nagahara & Kushiro,1989)が、より広い条件下の実験の結果、ガスの組成はNa:Al=1:1で、Si/(Si+NaAl)をyとすると、y=0.18x+0.34(ただし、xは出発物質の斜長石のNa/(Ca+Na)比)として表わせることが明らかとなった。従って、極めて難揮発性のAlは、揮発性のNaとともに蒸発することになり、固体鉱物からの蒸発は、volatilityのみで論ずることのできる液体からの蒸発とは異るメカニズムに支配される。これはテクト珪酸塩がある斜長石の構造にSiO_2は合致するが、NaのみAlのみは電価のバランスのため単独で存在することができないためと考えられる。一方輝石は、高温(Mgに富む部分)ではフォルステライトとSiに富むガスに分解し、やや低温(Feがやや多い部分)ではMgに富む輝石とFeに富む輝石組成のガスとに分解する。それらの組成は温度の関数であり、基本的に液体と固体の関係と同じであることがわかった。コンドライト中のコニドリュ-ルとマトリックス、CAIとrimの関係は部分蒸発、再疑縮として説明が可能となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)