SiO,Fe,Mgからのケイ酸塩前駆物質の実験合成
Project/Area Number |
01611507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
和田 節子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30017404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 朗 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90017393)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 星周塵 / ケイ酸塩 / 星間塵 / 赤外線吸収スペクトル / H_2O / 銀河中心 |
Research Abstract |
M型星の大気の外側に、10μmスペクトルを示すケイ酸塩前駆物質の塵が観測される。これらの10μmピ-クは、単一でブロ-ドな形に特徴がある。10〜20μmにかけて、小さな18μmピ-クをもつものと、ほとんどピ-クを示さないものがある。これらの塵は10μmピ-クのみを示す物質を基本構造とし、なんらかの付加的な変化により、小さい18μmピ-クを示すと考えられる。これまでに、SiO急冷固体が基本的に10μmピ-クのみを示すケイ酸塩前駆動質であることを明らかにしてきた。SiO急冷固体に付加的に加わる化学種として、CO,H_2OおよびFe,Mgなどの金属もしくは酸化物が考えられる。前年度の重点領域研究でCOの付加により、6μmに小さな吸収をもつ急冷固体が生成することを示した。 本研究で、付加的に加わる物質として、MgガスおよびH_2Oガスを共存させ、SiO急冷固体を析出凝固させた。 MgガスとSiOガスからの固体を得るため、回転冷却型の真空槽中に2つの蒸発源を設置し実験を行った。蒸発速度、ガスの混合の度合を変えたが、2つのガスからの混合固体は得られなかった。 SiOガスとH_2Oガスからの混合析出物を得る実験では、SiO急冷固体はH_2Oをきわめてよく吸着することが明らかになった。この物質の赤外スペクトル測定を行い、H_2Oによる3μmスペクトルを確定した。H_2Oのピ-クの正確な測定には、通常用いられるKBr錠剤法は適用できないので、分散媒を検討し、Fluorolube S-30を選定し、H_2Oによる赤外スペクトルパ-クの形および波長位置を正確に測定した。 この固体に取り込まれたH_2Oのピ-クの波長位置は、2.94-2.99μmにある。このピ-クは、田中らにより最近M型星の星周で観測された3μmピ-クとよく一致する。さらに、従来から謎とされてきた星間塵に見られる3μmピ-クともその形および波長位置ともきわめてよく一致した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)