Project/Area Number |
01612001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
栗村 芳實 茨城大学, 理学部, 教授 (80007707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西出 宏之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)
蒲池 幹治 大阪大学, 理学部, 教授 (40028163)
江川 博明 熊本大学, 工学部, 教授 (50040358)
平井 英史 東京理科大学, 工学部, 教授 (90010751)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥25,300,000 (Direct Cost: ¥25,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥25,300,000 (Direct Cost: ¥25,300,000)
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Keywords | 高分子錯体 / 多重相互作用 / 遷移金属錯体 / 高分子配位子 / 分子識別 |
Research Abstract |
本研究班の今年度の科学研究費による主な研究成果を以下に示す。1)幾つかの高分子遷移金属錯体の多段錯形成反応ならびに電子移動反応の動力学定数を決定し、高分大錯体のミクロドメインにおける特有な多重相互作用がこれらの反応速度に及ぼす効果を明らかにした。2)固相高分子に担持した銅ーアルミニウム錯体と一酸化炭素などの気体分子の相互作路を種々の分光学的方法を用いて定量的に観測し、分子識別機能の発現と多重相互作用の関係について解明した。3)アルドキシム型配位子などを担持した固相高分子配位子の物理的構造ならびに固相内部の親水性と疎水性構造のバランスがウラニルイオンなどとの錯形成に及ぼす効果について検討することによって、これら因子と多重相互作用の相関を具体的に解明し、多重相互作用と分子識別に対する基礎的な知見を得た。4)ポルフィリン錯体を高分子固相マトリックスに固定し、酸素、窒素などの気体分子の動的輸送過程を物理化学的に明らかにし、気体透過機構を明らかにすると共に、気体透過過程における高分子錯体の特異性を明かにした。5)種々の高分子ポルフィリン錯体を合成し、磁性発現における高分子イオンやポルフィリン環の役割について検討し、高分子錯体における磁気的性質と高分子錯体構造の関連を解明するための基礎的知見が得られた。 これらの研究成果は、これまで殆ど知られていなかった高分子錯体におけるソフト相互作用と多重相互作用が、それらの反応性や分子識別に及ぼす影響を具体的、かつ定量的に明らかにし、機能発現につながる高次相互作用の概念を可なりの程度定量的解明に貢献することを可能ならしめた。
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