増殖因子、分化因子による発癌の促進と抑制のメカニズム解析
Project/Area Number |
01614508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒木 登志夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90006073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 和広 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00192188)
許 南浩 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70173573)
野瀬 清 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70012747)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Keywords | 発癌プロモ-ション / 発癌プロモ-タ- / Cキナ-ゼ / 蛋白リン酸化 / クレアチンキナ-ゼ / 遺伝子発現 / 癌遺伝子 / パピロ-マ |
Research Abstract |
多段階発癌におけるシグナル伝達と遺伝子発現について、マウス皮膚二段階発癌および培養のトランスフォ-メ-ション実験系を用いて検討した。 (1)マウス皮膚に発癌プロモ-タ-、TPAを塗布すると、Cキナ-ゼ(PKC)が細胞質から膜に移行し、活性化される。このとき、34Kと40Kの蛋白が高度にリン酸化されることを見出した。これらの蛋白をマウス脳より分離精製したところ、34Kは新規蛋白、40Kはクレアチンキナ-ゼB型であることが判明した。マウス表皮由来BALBMK-2細胞をTPA処理するとこの酵素活性が上昇し、また精製したクレアチンキナ-ゼBを精製したPKCでリン酸化すると、この酵素の基質に対する親和が上昇することがわかった。以上の結果、PKCによるリン酸化によってこの酵素活性が調節されていることが確認された。この他、BALB/MK-2細胞の標的蛋白の一つ、7OK蛋白はラミンBであることを証明した。 (2)遺伝子発現の変化をマウス皮膚発癌実験系を用いて検討した。マウス皮膚にTPAを塗布すると、fos,myc,jun、メタロチオネイン、ウロキナ-ゼなどの遺伝子mRNAが誘導される。DMBA-TPAの二段階発癌実験によって生じたパピロ-マ、癌では、これらのうち、TPA処理後数時間をおいて“二次的"に発現する遺伝子が構成的に発現していることを見出した。すなわち、メタロチオネイン、ウロキナ-ゼ、オステオポンチン、TGFβ,POTS7,POTS8などである。 以上の結果から、発癌プロモ-ションの過程においてはシグナル伝達の経路に変化が起り、多段の遺伝子の発現ヌシナリ-に異常があることが明らかにされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)