Project/Area Number |
01614519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
羽倉 明 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00029779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10127186)
井上 寛一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30176440)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥18,000,000 (Direct Cost: ¥18,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥18,000,000 (Direct Cost: ¥18,000,000)
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Keywords | がんウイルス / ヒトパピロ-マウイルス / ウイルス性癌遺伝子 / 子宮頸癌 / transformation / 発がん / immortalization又は不死化 / progression |
Research Abstract |
ヒトパピロ-マウイルス(HPV)のヒト癌(特に子宮頸癌)発生への関与を明らかにすることを目的とし、本年度は主として以下の結果を得た。 1.HPV遺伝子機能について i)子宮頸癌組織から分離されたHPV16型の癌遺伝子E6E7(ORF)はNIH3T3やNo7(ラット由来)など株化細胞を容易に癌化することが可能である。しかし、初代培養細胞では細胞の不死化が確認されるのみで直ちに癌化は認められない。我々はE6E7遺伝子によって不死化したラット初代培養細胞は長期間継代培養を続けることによって、癌化能を獲得(progression)することを確認し、同progression過程にHPVの遺伝子側に変化なく、細胞側のc-Ki-ras遺伝子が活性化されていることを明らかにした。現在同遺伝子の活性化とprogressionとの関係を検討中である。また雑種細胞作成実験で初代培養細胞にE6E7遺伝子による株化細胞の癌化形質を抑制する働きがあることを認め、同抑制過程がE6E7遺伝子の転写以後であることを明らかにした。ii)HPV16型E6E7(ORF)よってtransformしたラット株細胞から正常復帰細胞を複数株分離した。このうち性状解析を行った一株はHPV遺伝子の癌化機能発現に必要な細胞側因子に変異を起こした細胞と考えられる。 2.HPV16のE6E7ORFを持つキメラレトロウイルスによるin vivo子宮頸癌発癌実験、現在までにE6E7遺伝子と低濃度のmethylcholanthrene処理で早期に頸癌が発生する傾向があることを確認している。 3.transgenic mouseの作成:HPVの宿主域は極度に狭いことが知られている。HPV遺伝子機能発現に対する組織特異性の検討を目的のひとつとしてHPV16のE6E7遺伝子を持つtransgenic mouseを作成中である。
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