発がん性ヘテロサイクリックアミンによる遺伝子損傷とその修飾
Project/Area Number |
01614525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早津 彦哉 岡山大学, 薬学部, 教授 (10012593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 和雄 岡山大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (70116490)
綿矢 有佑 岡山大学, 薬学部, 助教授 (90127598)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥16,000,000 (Direct Cost: ¥16,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥16,000,000 (Direct Cost: ¥16,000,000)
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Keywords | Trp-P-2 / Trp-P-2(NHOH) / genotoxicity / DNA組換え / λファ-ジ / キイロショウジョウバエ / クロロフィル / クロロフィリン誘導体 |
Research Abstract |
代表的な発がん性ヘテロサイクリックアミンであるTrp-P-2とその代謝活性化体Trp-P-2(NHOH)を用いて、遺伝子損傷作用の多用性及びそれら活性の修飾因子の検討を行った。Trp-P-2(NHOH)は酸化的分解を受けTrp-P-2(NO)になる。この両者について、λファ-ジの2種の変異株間で生じるDNA組換え頻度に与える影響を調べたところ、5μMTrp-P-2(NHOH)で自然誘発頻度の約5倍に、5μMTrp-P-2(NO)では約3倍に頻度が上昇した。いづれの化合物も細胞内DNA鎖切断を生じることは分っており、この活性との相関性が考えられる。Trp-P-2自身にはこのような活性は見られなかった。Trp-P-2(NHOH)はプロファ-ジ誘発能も示したが、この機構にはSOS応答は寄与していないことを示す知見も得た。λファ-ジ組換え頻度の上昇は、クロロフィリンの同時点火により抑えられ、Ames testやショウジョウバエを用いたテストで得られた結果と一致した。Ames testを用いてTrp-P-2(NHOH)の変位原性に対するクロロフィリン誘導体及びポルフィリン関連色素の抑制作用を比較したところ、中心金属が変わると活性が異なり、鉄、銅、無金属の順に抑制活性が弱くなった。鉄クロリンやヘミンには、Trp-P-2(NHOH)の分解速度を上昇させる活性が強いことが分り、複合体形成による活性阻害と相加効果があると考えられる。クロロフィルについては、抽出原料には無関係にクロレラ2種及びホウレンソウで同程度の活性阻害が、Ames test及びショウジョウバエ翅毛スポットテストで示された。クロロフィリンの抑制機構が、主に変異原物質との複合体形成によることが、クロロフィリンと吸着可能な発がん性芳香族炭化水素ベンゾ(a)ピレン、ジメチルベンツアントラセン及び2-アミノアントラセンのショウジョウバエDNA傷害作用を抑えることから、更に支持された。クロロフィリンは、Trp-P-2以外のヘテロサイクリックアミンのDNA傷害作用も抑制した。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)