シアロ糖化合物による制癌(白血病細胞増殖抑制・分化誘導)機構の解析と応用:生理活性ガングリオシドGM3の取込み、分布、代謝
Project/Area Number |
01614532
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
斎藤 政樹 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60012762)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元吉 和夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80137702)
北川 誠一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50133278)
大田 雅嗣 自治医科大学, 医学部, 講師 (90160514)
中村 充 自治医科大学, 医学部, 助手 (20198237)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
|
Keywords | 生理活性ガングリオシド / ガングリオシドGM3 / トリチウム標識 / ヒト骨髄性白血病細胞 / 分化誘導機序 / 単球マクロファ-ジ系分化 / ガングリオシド代謝 / トリプシン処理 |
Research Abstract |
外来性のガングリオシドGM3はヒト骨髄性白血病細胞株HL-60細胞の増殖を抑え、単球マクロファ-ジ系分化を誘導する(斎藤ら:Proc.Natl.Acad.Sci.USA.83:782-786,1986)。このガングリオシドによる細胞分化誘導のメカニズム、特に初期現象、を解析する目的で、トリチウム標識ガングリオシドを調製して、細胞への結合、取り込み、代謝を解析した。分化誘導脳持つGM3はこの生物活性を持たないGM1の4-5倍量、細胞に結合した。細胞に結合・組込まれたGM3はトリプシン感受性画分、トリプシン抵抗性画分の2つに分画される。細胞表面に緩やかに結合するトリプシン感受性画分に比べて、4-10倍量の標識GM3がトリブシン抵抗性画分として細胞内に取り込まれていた。HL-60細胞では特異的で速やかなGM3の代謝が観察された。即ち、標識GM1ほとんどがそのまま代謝を受けずに留まっていたのに対し、標識GM3はトリプシン感受性及び抵抗性画分で共に低親水性の化合物へと代謝されていた。この反応は極めて速く30分以内に起こっていた。細胞下分画の結果からこの特異的代謝はリソゾ-ムで主に起こっていること、また、一部の標識GM3は細胞膜表面で代謝されていることが判明した。これらの結果からGM3の特異的代謝がHL-60細胞の単球マクロファ-ジ系分化誘導に深く関わっていることが強く示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)