Project/Area Number |
01618503
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 信太郎 東京大学, 理学部, 助教授 (20143357)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | ヒトゲノム / 分子進化 / 人類進化 |
Research Abstract |
1.ヒト上科ならびに旧世界ザルにおける免疫グロブリン多重遺伝子族の構成ならびに各遺伝子の構造分析により、狭鼻類下目分岐前にCεプロセスト遺伝子が形成されたこと、オランウ-タン分岐後ヒト・チンパンジ-・ゴリラの共通祖先でCγ-Cγ-Cε-Cα遺伝子をセットとした重複が生じたこと、テナガザルの系統で独立にCα遺伝子の重複が生じたこと、ヒト・チンパンジ-・ゴリラのそれぞれの系統で独立にCε2遺伝子の完全あるいは部分欠失が生じたこと、ヒト上科において直列型反復配列構造をとるCα遺伝子のヒンジ領域は重複・欠失を繰り返してきた一方で旧世界ザルではヒト上科とは全く異なるヒンジ構造をとることなどが明らかとなった。これにより、点突然変異とは異なりよりダイナミックに遺伝子構造を変化させうる変異が人類進化の過程において頻繁に生じてきたことが示された。 2.Genome Subtraction法により、ヒトに最も近縁な種であるチンパンジ-のゲノムDNAをもちいてヒト・ゲノムDNAからヒトとチンパンジ-に共通なDNA領域を除き、チンパンジ-には存在しないがヒトには存在するDNA領域をもとめた。これらのDNA領域をプロ-プとしたZoo Blottingより、最終的にヒトにのみ特有なDNA領域を選び出し、その詳細な構造を分析した。ヒトとチンパンジ-の分岐後に、あるDNA領域を起源としてヒトに特有なDNAが生じてきたと考えた場合、両者には通常の点突然変異率の下での変化を受けながらも少なくとも90%以上の相同性が存在するはずである。にもかかわらず、HS5と命名したヒト特異的DNA領域にはそのような祖先DNAが存在せず、未知の現象による種(ヒト)特異的DNA領域の獲得の可能性が考えられる結果が得られた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)