原核・真核生物におけるDNAトランスポジションの調節機構の研究
Project/Area Number |
01618505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
町田 泰則 名古屋大学, 理学部, 教授 (80175596)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 動く遺伝子 / トランスポジション / Ac因子 / Is_1 / 遺伝変異 |
Research Abstract |
転移DNA因子は、さまざまなDNA再編成を引き起こし、遺伝情報の大きな変化の原因の一つとなっている。このDNA転移は、原核生物においてはその頻度を低く保つことによって、また真核生物では発生過程での時期や組織を限定することにより調節されていると考えられている。これらの性質は、必要以上の変異を制御し生物集団の中で変異を固定拡大していくために重要な意味を持っていると考えられる。我々は、原核生物の転移DNA因子としては、最も小さい因子であるIS1を、また真核生物のものとしては、トウモロコシのAc因子をとりあげ、それらの転移の調節機構を研究している。これまでの研究で、IS1転移にはinsAとinsBの二つの遺伝子領域が必要であるが、insA領域だけが発現するとinsAとinsBの発現を阻害し、転移を制御することがわかった。つまり、insAタンパク質は、IS1転移を抑制するリプレッサ-機能を持っていると考えられる。Ac因子の研究では、これまで、その転移を容易に検出する方法がなかったが、我々は、Ac転移反応が起こるとウイルスの感染が誘発される方法を開発している。さらに、insB遺伝子とlacZを連結したキメラ遺伝子を作製し、大腸菌で発現させ、β-ガラクトシダ-ゼ抗体を用いてキメラタンパク質の大きさを検討したところ、期待値よりも大きいタンパク質のバンドが得られた。このタンパク質のサイズがinsAとinsB-lacZ融合タンパク質のものと等しいことから、in vivoでは、insAとinsBが何らかの機構で融合し、それが、トランスポゼ-スとして機能する可能性も考えられる。Ac因子の研究については、カリフラワ-モザイクウィルスを用いた。Ac転移のassay系ができたが、まだ、実用化するのには感度をさらに上げる必要がある。今後、PCR法等を組み合わせることにより感度を上げる計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)