Project/Area Number |
01619512
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
渡辺 智正 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 室長 (10100174)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 水頭症 / DNA多型 / マウス / 野生集団 / サザンブロット / キモトリプシン / F_2分離 / 組換え |
Research Abstract |
マウスは、哺乳類の中で最も遺伝学的研究の進んだ動物である。しかし、実験用近交系マウスの起源は比較的少数のマウスから出発したと推定され、変異遺伝子プ-ルはそれほど多くないと考えられている。そこで野生マウス集団から新たな変異遺伝子を検出する試みが重要な課題となってくる。最初にキモトリプシンDNA変異を、実験用近交系マウスと日本野生マウス由来の系統間で見出した。キモトリプシン遺伝子はすでにタンパクレベルの変異から第8染色上水頭症遺伝子の近傍にあることが判っているので、そのDNA変異を水頭症遺伝子型の遺伝標識に用いることを試みた。DNAレベルの変異の利点は、遺伝子発現していない臓器においても、発生のどの時期においても検出可能であり、染色体上近傍の疾患遺伝子型の診断に有用である。キモトリプシンDNA変異を活用するために、実験上使いやすいように日本野生マウス由来の変異を実験用マウスCFOに導入し、CMBと名付けた。CMBマウスと水頭症マウスを交配し、そのF_2において約96%の確率で、キモトリプシンDNAのサザンブロットのパタ-ンより水頭症ホモ個体を判定することができた。通常水頭症マウスは生後約1週目疾患個体であることが外見上判別でき、3週目には死に至る。今回、DNA診断から将来水頭症になると判定した個体の形態学的な初期変化を生後0日齢で調べてみたところ、左側脳室にすでにわずかながら水が貯り異常が進行していることが明らかとなった。200匹のリンケ-ジテストF_2群で、キモトリプシンDNA多型のAA型で正常の組換え個体が7例あるのに、AB型で水頭症の組換え個体は1例もなかった。このように組換えが一方向に片寄ったことから、水頭症変異が一塩基置換により生じたとは考えにくく、重複とか欠失という染色体レベルの異常を想定して、今後近傍のDNAプロ-ブを使用したサザンブロット解析を検討していく。
|