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¥20,300,000 (Direct Cost: ¥20,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥20,300,000 (Direct Cost: ¥20,300,000)
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Research Abstract |
拡散火炎では,火炎面近くで物質および熱移動と同時に化学反応が進行し,それらが複雑にからみながら発熱が進んでいる.本研究はその様な場での燃焼生成物の発生・消滅機構を速度論的立場から解明し,効率的な燃焼制御ならびに汚染物質の低滅のための基礎学の構築を目指すもので,本年度は主に次の事項について研究を実施した. 1.昨年度提案したすす生成の均一核生成理論に改良を加え,ポリアセチレンを経由するクラスターの成長を考慮した理論を展開し,これによって中間温度領域ですす生成を論じた.さらにレーザシート法により噴流および噴流火炎内の乱れ渦の生成状況を瞬間撮影し,拡散火炎内の混合状態について論じた. 2.試作したカーボンクラスター作成装置を用いて実験的な検討を進めた結果,HeガスをキャリアとしてC_<70>程度までのカーボンクラスターが生成できること,H_2共存時には低炭素数のクラスターに水素を含むものが生成され,生成速度定数は小さいこと,気相炭化水素の分野によって炭素は直接供給されることがわかった. 3.メタンー酸素予混合火炎から生成するすすの成長過程を実験的に検討した結果,空気比の低下につれてすす粒子径が増大し粒度分散は低下すること,火炎面から下流に行くにしたがい粒子径が増大し,同時に粒度分散は低下すること,すす粒子径に対して火炎後流部温度は影響しないことなどを明らかにした. 4.C_2H_2ー空気予混合火炎内に生成するベンゼン環,ナフタレン環の火炎内濃度分布を動力学的に予測した結果,それらの濃度がピークを示す温度は当量比に関係しないのに対し,火炎内では当量比によって異なること,ベンゼン環,ナフタレン環とも,火炎内でアセチレンがその濃度を急激に減少し始め,H原子はその濃度を増加し始める領域に生成することなどを明らかにした.
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