Project/Area Number |
01627506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤井 信行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50011119)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ベンゼン / フェニルラジカル / 燃焼反応 / 酸化反応機構 / 衝撃波管 / 赤外発光 |
Research Abstract |
ベンゼンなど芳香族炭化水素の燃焼反応機構を調べることを目的とし、先ず、ベンゼンと酸素原子生成源としてのN_2Oの混合試料を反射衝撃波で加熱し、モノクロメ-タまたは干渉フィルタで波長分別した赤外発光により反応中の化学種の濃度変化を測定し、オッシロスヒ-プで観測しXYレコ-ダを用いて記録した。3.39μmの発光は炭化水素のC-Hの伸縮振動に帰属し、反応初期には主にベンゼンおよびフェニルラジカルによるもの、また、4.25μmの発光は主にCO_2によるものと見られる。 そのような赤外発光の挙動をベンゼン-N_2O系の反応機構を用いた反応のシミュレ-ションの結果と比較した。本反応機構ではベンゼンの分解によるフェニルラジカルの生成は速く、実験条件下ではベンゼンの分解に誘導期は見られず、また、その分解速度も発光の実測値より1桁ほど速かった。そこで、ベンゼンとフェニルラジカルの濃度の和を発光強度に変換し、その時間変化を実測値と比較した。計算値は実測値とほぼ同じ温度依存性を示してたが、温度が低いとき、計算値の方が反応が早く進行しているように見える。次に、CO_2増加速度を比較した。温度が1500Kより低温の場合に、計算値は実測値よりかなり遅くなる傾向を示した。また、1500Kより高温でも、N_2Oの濃度が高いと計算値による反応は遅くなった。用いた反応機構において特に問題があるのはベンゼン環の酸化開環過程であり、フェニルラジカルの解離および酸素分子との反応以外に、まだ考慮されていない0原子またはOHラジカルによるフェニルラジカルの酸化開環過程の存在が予想される。 現在、酸素-水素系に少量のベンゼンを添加することによる影響を0およびH原子共鳴吸収測定を用いて検討しており、またCOレ-ザ-によるCOの高感度検出も準備中である。これらにより、反応機構に関する新たな知見が得られるものと確信する。
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