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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.4.5-ビス(4-メトキシフェニル)-2-(4-ニトロファニル)-IH-イミダゾ-ル[1]は結晶化の条件の相違により橙・朱・真紅を呈する多形結晶3種を生ずることが明らかとなった。これらの結晶をホストとしてアルコ-ル,水,環状エ-テル,カルボン酸,アミン等を作用させるとそれぞれをゲストとする包接体結晶を生じた。これらの包接体結晶はゲストの種類により著しく色調を異にする。例えばトリクロル酢酸をゲストとる包接体は淡黄色,ジオキサン包接体は赤色,水包接体は黒色である。X線結晶解析により色と結晶構造との関係を調べた結果,結晶の色の相違には,水素結合の相違,分子内電荷移動効果,分子間電荷移動錯体の形成の三者が関与していることが明らかとなった。また[1]の3種の多形結晶は2-フェニルエタノ-ルと共に乳鉢中で磨砕を行なうと,モル比1:2の包接体結晶(黄色)を生ずる。この結晶は50℃以上約84℃までの温度上昇により色調変化を示し,温度を下げると再びもとの色にもどるサ-モクロミズム性を示すが高温時での色はホストとして用いた多形結晶の色である。2mmTorr84℃でゲストを除いた結晶のIRは朱色の多形結晶の場合を除いて,ホストとして用いた結晶のIRと一致した。またこの包接体は色調変化に伴ってバラの芳香を発生する。元素分析・IR・DSC・溶液NMR・TLC等の手段により上記包接体のサ-モクロミズムの機構を明らかにした。 2.10種のイミダゾ-ル誘導体をホストとし,トリフルオル酢酸・トリクロル酢酸・P-トルエンスルホン酸をゲストとする包接体を得てその物性を調べた結果,前2者の包接体は固体状態で強い蛍光性を示すことが見出された。得られた包接体46種のホスト・ゲストモル比,蛍光スペクトル,蛍光強度をホストのみの場合と比較した。さらに固体状態で強い蛍光を示すとして知られているタ-フェニルとその蛍光強度で較べた。
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