Project/Area Number |
01628515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西本 吉助 大阪市立大学, 理学部, 教授 (20046949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 和夫 大阪市立大学, 理学部, 助手 (30132723)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 新しいポテンシャル関数 / 分子性固体の結品構造 / シミュレ-ション / bond-bond相互作用 / エチレン / ベンゼン |
Research Abstract |
計算機によるシミュレ-ションは固体や液体の構造と性質を研究する上で非常に有力な方法になりつつある。しかし、いまのところ、分子間ポテンシャル関数を作製するのが難かしく、H_2OやNH_3のような小さい分子系の固体や液体に応用されているにすぎない。これは大きくて複雑な分子の分子間相互作用を表現する適切なポテンシャル関数がないからである。 本研究では、われわれが先に提案したbond-bond相互作用を重なり積分で表現する分子間ポテンシャル関数を発展させることにより、分子間相互作用はもとより、分子集団中での分子の変形も考慮できる新しいポテンシャル関数の理論的定式化を目標に研究をすすめた。また、触媒設計や材能設計の理論的研究のために、分子性固体の構造と反応場の計算機シミュレ-ション・プログラムの開発研究をおこなった。 化学にとってbondは最も基本的で、かつ重要な概念である。分子の性質発現もbondに負うところが大きい。ところが、従来のポテンシャル関数は、たとえばLennand-Jones型にみられるように、原子間距離で表わされ、bondの特徴は考慮されていない。そこで我々はbond-bond相互作用をきちんと考慮したポテンシャル関数を提案し、HFやH_2Oの液体に応用して一応の成果を得た。共役二重結合系では、π-電子の非局在化が分子の性質発現に最も大きな役割を演ずるので、π-結合部分は分子全体に拡ったMO(非局在化MO)で記述されるbondを用い、σ-結合部分は局在化MO(2中心MO)で記述されるbondを用いて、分子間ポテンシャル関数を作製した。エチレンとベンゼンについて、この新しい分子間ポテンシャル関数で結品構造を計算したところ、単位胞のサイズを形について、ほぼ実験と一致する結果が得られた。
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