電子顕微鏡像にみられる準結晶の異常コントラストの研究
Project/Area Number |
01630506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石政 勉 名古屋大学, 教養部, 助教授 (10135270)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1989: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 準結晶 / 正20面体相(icosahedral phase) / AlCuFe合金 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
Al-Cu-Fe合金糸で生じる準結晶相は、高い構造完全性、新しいタイプの正20面体相、熱的安定相であることの3点で特徴づけられる。これらの性質が、合金組成あるには熱処理の違いに、どのように影響されるかを電子顕微鏡観察及びX線回析実験により研究した。特に、電子顕微鏡像にみられる異常コントラストと構造完全性の関連に注意して研究をすすめた。Al_<65>Cu_<20>Fe_<15>の調合組成においては、焼鈍温度800℃からの急冷、除冷にかかわらず、非常に構造完全性の高い試料が得られた。この場合、電顕像の異常コントラストは見られなかった。Al_<65>Cu_<20>Fe_<14>及びAl_<65>Cu_<21>Fe_<14>の800℃からの急冷において、不純物結晶相のさらに少ない試料が得られた。一方、調合組成がAl_<65>Cu_<20>Fe_<13>の場合には、微細構造が熱処理に強く依存することが判明した。800℃からの急冷では完全度が高いが、800℃からの除冷及び625℃からの急冷試料においては、準結晶の構造完全性は極めて低く、低倍電顕像に強い異常コントラストが観察された。又、電子線回析像は著しい回析点の分裂を示した。高分解能電顕観察の結果、低完全性試料には、真の正20面体相は存在せず、近似結晶相もしくは低次元準周期構造の小さなドメインの集合体となっている事が判明した。この結果は、日中準結晶セミナ-(1989年10月31日〜11日2日、東京)及び科研費研究会(1989年12月20日〜22日、熱海)において発表した。Al_<65>Cu_<20>Fe13試料の構造温度依存性のより詳細な研究は、準結晶の安定温度領域、さらに準結晶構造の本質(準周期的かランダムか?)を解明する有力な情報を与えると思われるので現在も研究を継続中である。なお上記の良質試料を用いた磁気測定の結果より、準結晶の電子状態について考察し、論文として公表した。
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Report
(1 results)
Research Products
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