酸素及び電荷ド-ピングによる高温超伝導発現機構の探索
Project/Area Number |
01631506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
滝田 宏樹 筑波大学, 物質工学系, 教授 (00011213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 浩一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (10116113)
升田 公三 筑波大学, 物質工学系, 教授 (90029405)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | Y系高温超伝導体 / 正孔ド-ピング / 電子ド-ピング / ク-パ-対破壊効果 / 高圧酸素下アニ-ル / ホ-ル濃度と超伝導 / ホ-ル係数 / 超伝導発現機構 |
Research Abstract |
我々は,Nd_<1+X>Ba_<2-×>Cu_3O_<7+δ>系においてδの他にxをパラメ-タとしてホ-ル濃度を制御できることを世界に先駆けて発表して以来、前年度までに、ホ-ル係数測定と化学分析とを併用して、酸化物超伝導体のホ-ル濃度と超伝導特性の関係を詳しく調べてきた。 今年度は更にいくつかの系について定量的な研究を行い,高温超伝導発現機構の探索を進めた。主な成果を箇条書にすると次のようになる。 1.高圧酸素下アニ-ルによりNd_<1+X>Ba_<2-×>Cu_3O_<7+x/2>と表記される系の合成に成功し,Y系のホ-ルの分布について金属元素置換効果と酸素量変化の効果を分離して明らかにした。 2.NdBa_2CU_3O_<7+δ>の金属元素の一部をCaで置換した系の単相化の試みを行い高圧酸素下アニ-ルにより,ホ-ル濃度を増大させた試料作製に成功し,この系を用いて,高ホ-ル濃度領域におけるTcとホ-ル濃度及びホ-ル係数の関係を明らかにした。 3.Y系と同じ構造を有するが,これまで超伝導を示したという報告例のないPrBa_2CU_3O_<7+δ>について,キャリア-ド-ピングの効果を調べた。電子ド-ピングの実現は,みられなかったが,Prの一部をCaで置換する方法によりホ-ルド-ピングすることに成功した。しかし、他のY系にとっては超伝導を示すに十分なド-ピング量でもPr系では、超伝導を示さないことが見い出された。これは、Prの磁気モ-メントとキャリア-の交換相互作用によるク-パ-対破壊効果によると考えられ、その大きさが見積られた。 以上の結果は、超伝導発現機構の解明の有力な手がかりとなりうると共に新物質探索の手がかりともなりうる成果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)