水素をド-プした高温超伝導体のプロトンNMRによる超伝導機構の研究
Project/Area Number |
01631516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
二木 治雄 琉球大学, 教養学部, 講師 (80145549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨吉 昇一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50005922)
矢ヶ崎 克馬 琉球大学, 理学部, 助教授 (70045037)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 核磁気共鳴(NMR) / 磁気共鳴 / 核磁気緩和 |
Research Abstract |
水素をド-プした酸化物高温超伝導体YBa_2Cu_3O_7-δHxは、水晶中の水素濃度が大きくなるにつれて、超伝導にかかわる諸物性が影響を受ける事が知られている。そこで、我々は、水素原子をプロ-ブとして、微視的見地からこの超伝導の発現機構を研究するために、^1H核のNMRを行った。 [1]1)初めに、試料の超伝導性に影響を与えない水素濃度であるx=0.2の試料YBa_2Cu_3O_<6.94>H_<0.2>(Tc=92K)について、77Kから300Kの温度範囲で、粉末試料を用いて、共鳴線幅およびスピン-格子緩和時間T_1の温度変化を測定し、以下の事を明らかにした。(i)室温では、水素原子が結晶中で運動しているが、150K以下では、水素原子がCu(1)の付近にトラップされる。この時の運動の活性化Energyは、〜30KJ/molである。(ii)Tc直上でT_1・T=一定とはならない。もし、T_1・T=一定が存在するならば、Tc直上の狭い領域に限られる。Tc直下では1/T_1は増大し、〜0.93Tcで最小、それ以下で1/T_1は急速に減少する。このenhancementがなぜ生じるかについては、幾つかの可能性があり、現在、考察中である。(2)Tc以下の線幅の温度変化より絶対0度での磁場の侵入深さの値λo〜2500Åを求めた。この値は、μSR等の結果と良く一致する。 [2]次に、試料の水素濃度をx=0.5に変化させ、線幅およびT_1の温度変化を測定し、1)Tc=90K、2)室温で水素原子は運動し、130K以下で、水素原子は結晶中にトラップされる。その時の線幅は、約1.5G、運動の活性化Energyは、〜3KJ/molである。x=0.2の試料(Tc=92K)と比較すると、x=0.5では、1)Tcが低い。2)線幅1.5Gより、水素のトラップのされ方は、x=0.2と違い、Activation energyも小さい。Tc以下でのT_1の振舞いより、77K以下で、enhancementを生じると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)