Project/Area Number |
01631519
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長坂 啓吾 東京理科大学, 理学部, 教授 (80029470)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀場 鉚一朗 東京理科大学, 理学部, 助手 (00084327)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 酸化物超伝導体 / Bi-Sr-Ca-Cu-O系 / 遠赤外分光 / 温度依存性 / 磁場依存性 / 光学光伝導度スペクトル / エネルギ-ギップ / 上部臨界磁場 |
Research Abstract |
MgO基板上にCVD法により結晶成長したBi_2Sr_2CaCu_2O_8薄膜を用意した。その膜厚は0.1μmであり、遠赤外光の透過率は高い。しかし、MgOのレストストラ-レン反射のために透過測定は300cm^<-1>以下に限定される。この他、フラックス法による試料も用意した。実験として、上述の試料について、5〜300cm^<-1>の透過スペクトルを得た。この時、透過スペクトルの(1)温度依存性と(2)磁場依存性が測定された。 (1)温度依存性から、フラックス法で得た厚さ5μmの半導体試料と考えられるものについて、吸収係数の波数依存性から、ホッピング伝導であることが明らかにされ、またその温度依存性から、phonon-assisted hoppingであろうと考えられた。次に、CDV法による0.1μm×5mm×5mmの薄膜試料は、DC4端子法による抵抗の温度変化の実験により、T_c=81Kの超伝導性を示した。この試料の40〜300cm^<-1>の透過スペクトルの温度依存性は、ホッピング伝導とは異なった自由正孔ガスと考えられる常伝導正孔が70〜80%あり、20〜30%の伝導担体が超伝導性を示すと考えられる。これは、Mattis-BardeenとDrudeの式から光伝導度スペクトルを計算し理論的透過スペクトルを得て、上で述べた実験値と比較して決定したものである。 2)CVD法による試料について、磁場0〜8Tを試料のa-b面に垂直に加えて、遠赤外透過測定を行うと、吸収スペクトルに変化が現れる肩を見つけた。これは光学(超伝導エネルギ-)ギャップの磁場依存性と考えられる。この変化とSkalskiの理論との比較から、0Kのエネルギ-ギャップ2△=220cm^<-1>と上部臨界磁場H_<c2>=38Tを決定した。 以上をまとめると、酸化物伝導体Bl-Sr-Cu-Cu-O系において、光学伝導スペクトルが観測され、(a)ホッピング伝導(b)Drude則に従う常伝導が、ギャップ間にあり、同時に超伝導性も観測にかかっている。
|