2つの独立したプラズマ発生源による炭化水素系プラズマ中のラジカル反応制御
Project/Area Number |
01632527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大木 義路 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70103611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 克 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (70139509)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 反応性プラズマ / プラズマ重合膜 / ラジカル / グロ-放電 / 発光スペクトル / 電子温度 |
Research Abstract |
平成元年度には、63年度の研究報告からの反省点を改善すべく、発光スペクトルへの残留空気の影響を解決すめため高真空排気可能な系を作製した。この系において電離電圧が大きく異なる2種類のガス(Ar,He)について実験を行い、励起方法の違いが発光スペクトルに与える影響について調べた。まず、Ar,Heガスを単独に放電する実験において、励起部では、Ar,He共に圧力増加(流量増加)すると共に発光スペクトル強度が増加し、電子温度は減少するという傾向が得られた。プラズマ内のエネルギ-尺度としての電子温度×電子密度を考えれば、実験を行った圧力領域ではほぼ一定の値となった。アフタ-グロ-部では、圧力増加と共に発光強度が減少し、電子温度も減少する傾向が得られた。しかし、Arの4p,4p'準位から準安定励起準位である4s準位への遷移による発光は、他の発光スペクトルのように圧力増加と共に減少傾向は示さず、ほぼ一定の発光強度を示している。これにより、本実験における圧力領域(10〜90mTorr)においては、Arの準安定準位へは一定k割合で励起が生じていることがわかった。次にAr,Heどちらかのプラズマのアフタ-グロ-中に、他方のガスを注入し励起を生ぜしめるという実験を行った。まず、Heのアフタ-グロ-中へのArガス注入による実験であるが、Ar流量増加にともない、He発光スペクトル強度が減少し、Ar発光スペトクル強度は増加した。これは、ペニング効果により説明されるが、Arアフタ-グロ-中へHeガスを流入する実験では、Arの発光スペクトルのみならず、Heの発光スペクトルも見られ、Arプラズマから、電離電圧が約9eV高いHeへのエネルギ-の移行が行なわれたものと思われる。これについては、アフタ-グロ-部の励起部からの漏れ電界の効果や、Ar準安定励起準位の関与などが考えられる。また、数Torrオ-ダの真空度においてHe,Arプラズマの電子温度、電子密度をダブル-プロ-プ法により測定した。アフタ-グロ-下部では、その上部より電子密度は、減少傾向にあるが、電子温度は上昇する傾向にある。この理由として準安定励起種同志の衝突による電離が考えられる。その他、圧力依存性や電力依存性に対する知見を得た。ついで、上記の知見を実際のプラズマ重合と結び付けるべく、Heをキャリアガス、トルエンをモノマ-ガスとして重合を行った。 その結果、アフタ-グロ-領域での成膜においては、膜堆積速度は電子密度に大きく依存するが、電子温度にはあまり関係しない。しかしながら、膜の構造には電子温度が強く影響していることがわかり、プラズマ励起方式の違いにより、電子温度、電子密度を変化させることで、膜構造を制御しうることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)