Project/Area Number |
01633505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 満 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50114369)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 知識ベ-ス / 人工知能 / 仮説推論 / 高速推論 / 論理 |
Research Abstract |
知識の対応の幅の狭さ、知識獲得のボトルネックといった現状の知識ベ-スの問題を克服する次世代知識べ-スへ向けて、不完全な知識の操作を鍵となる技術と認識し、論理に基づく仮説推論に関する研究を進めた。非単調論理の一種であるこの仮説推論システムは、昨年度までの研究で実証したように、診断や設計といった実用的問題に適用できる非常に有用な枠組みであるが、推論速度が遅いことが大きな問題である。そこで、この推論の高速化手法の研究を重点課題として研究を行った。 この推論の高速化を図るため、まず数理計画法(simplex法)を適用した推論手法について検討した。数理計画法では不等式で表わした制約(論理の公理に相当)をまとめて大局的に操作するため、与えられたゴ-ルを証明するのに必要な仮説のみを抽出して操作する機能に欠けるため、結果的には高速化は達成されなかった。しかし、この検討を通じてモデル論的視点からの仮説推論の構造を明らかにできた。この検討結果に基づき、第1フェ-ズでゴ-ルの証明に関与する可能性のある仮説の絞り込みと仮説合成のパスを設定する後向き推論を行い、第2フェ-ズでゴ-ルの証明に必要な無矛盾な仮説集合の合成をバックトラックなしの前向きの推論で行うBPFH(Backward Path generation and Foward Hypothesis Synthesis)法と名付けた高速仮説推論法を開発した。非単調推論システムでは無矛盾性制約により後に否定される可能性のある知識(defeasible knowledge)の使用に起因する推論時でのバックトラックの発生が推論速度低下の最も大きな要因であるが、開発したBPFH法はこのバックトラックの回避により高速化を達成している。BPFH法にパスのネットワ-ク状へのコンパイルも加えた高速仮説推論システムを作成し、単純なPrologによる実装と比較して1,000倍以上の推論速度が達成されることを実証した。
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