Project/Area Number |
01634009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 武比古 東京大学, 物性研究所, 教授 (00004284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿崎 明人 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60106747)
曽田 一雄 東京大学, 物性研究所, 助手 (70154705)
藤森 淳 東京大学, 理学部, 助教授 (10209108)
鈴木 章二 東北大学, 理学部, 助手 (10091703)
佐藤 繁 東北大学, 理学部, 教授 (10005796)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
Fiscal Year 1989: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
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Keywords | アクチナイド化合物 / 重いフェルミ粒子 / 高濃度近藤効果 / 5f電子 / X線光電子分光 / X線逆光電子分光 / BIS / ウラン化合物 |
Research Abstract |
本研究は、高濃度近藤効果、重いフェルミ粒子の状態、超伝導などの多彩な物性を示すアクチナイド化合物の電子状態を、光電子分光、逆光電子分光および遠赤外分光実験によって研究することを目的としている。とくに、関連する物性の発現に基本的役割を担う5f電子の挙動を理解するために必要な5f電子のエネルギー準位の分布の知識を得る目的でX線光電子分光(XPS)とX線逆光電子分光(BIS)のスペクトルを測定・解析した。実験に用いられた試料はUGe_2、UC、UPt_2Si_2およびUO_2である。金属的性質を示すU化合物は極めて表面活性であり、わずかな大気に露出させただけで、表面には酸化物の層が形成される。ここで測定されたUO_2はそのようにして作られたものである。清浄な試料表面を得るのに、高真空中で表面をヤスリで磨いた。表面で酸化が進行すると、XPSで得られる内殻準位線に変位したピークが現われ、2重構造ができるので、それにより、表面の状態を敏感に検知することができる。一般にXPSで測られた価電子帯のエネルギー分布曲線は、放射光を用いて測られたUPSのエネルギー分布曲線と相似である。但しファノの反共鳴の起る励起エネルギーの光で測られたエネルギー分布曲線には5f電子のスペクトルは現われない。清浄な表面について測られた5f電子のエネルギー準位の分布は、フェルミ準位をはさんで幅広いスペクトル形状をもち、それが局在した電子による線状構造を基調にしたものではないことが示唆されている。UCに対して報告されたエネルギーバンドに見られている半金属的性質、つまり、伝導帯中の禁制ギャップが見られなず、肩構造になっている。これに対しては、実験装置の分解能と電子の散乱によるぼけとの相乗効果によるという解釈がありうる。UPt_2Si_2ではPtの5dバンドが測定にかかっている可能性があり、これは共鳴光電子分光で確認する予定である。
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