重い電子系ウラン化合物の電子エネルギ-バンド構造とフェルミ面
Project/Area Number |
01634506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 彰 新潟大学, 教養部, 教授 (40004329)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1989: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | アクチナイド / ウラン化合物 / フェルミ面 / エネルギ-バンド / 相対論的APW法 / バンド理論 / UC(炭化ウラン) / ウラン金属 |
Research Abstract |
いろいろなアクチナイド化合物における電子状態を定量的に計算して物性を理解するために、相対論的APW法を基礎としたセルフコンシステントバンド計算法を開発している。本年度においては、マフィンティン近似の範囲内では完成し、いろいろなアクチナイド化合物に適用していくつかの新しい知見を得ることができた。ここでは、その中から炭化ウランと単体ウラン金属に対する計算結果を報告する。 1.炭化ウランUC 簡単な価数の考察から期待される性質とは異なり、計算された電子構造は半金属的である。フェルミ面は、X点を中心とした同等な3個のホ-ル面とW点を中心とした同等な6個の電子面から成り、キャリア-の数はホ-ルと電子共に基本格子当り0.068個である。ホ-ルの状態はCの2p状態とUの6d状態が強く混合した状態であり、電子の状態は殆ど純粋な5f状態である。これらのフェルミ面は、dHvA効果の角度依存を良く説明することができる。フェルミ準位における状態密度から計算された電子比熱係数と実験値から、多体効果によるくりこみ因子は約4と見積られる。従って、重い電子系という見地からの分類すれば、UCは中間の部類に属する。5fバンドの主要部分は約2eVの幅をもち、フェルミ準位の直上にあり、エネルギ-状態密度には、スピン-軌道分裂により分離した2つの鋭いピ-クを作る。このような構造とバンド幅は、最近行われた光電効果の測定によりおおよそ確認された。 2.ウラン金属 低温相においては、フェルミ面は4つの、どれも強い5fの性格をもつバンドから作られ、さまざまなホ-ル面と電子面から成り、dHvA効果を定性的に説明することが明らかにされた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)