ウラニウム三元系UT_2X(T:VIII族、X:S-P元素)における物質開発
Project/Area Number |
01634509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高畠 敏郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40171540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 健一 広島大学, 総合科学部, 助手 (00100975)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ウラン化合物 / 重い電子系 / 構造相転移 / 混成効果 / 電気抵抗 / 帯磁率 / 熱電能 / 比熱 |
Research Abstract |
ウラン三元系化合物UT_2X(T:VIII族、X:S-P元素)の物質探索によって、ホイスラ-型立方晶構造のUNi_2Sn,UNi_2In,UPd_2Inを見出し、UPd_2SnとUPt_2SnがそれぞれFe_3C型斜方晶、AlPt_2Zr型六方晶構造をとる事を確認した。前記三化合物については、電気抵抗、帯磁率、熱電能、比熱等の測定から、その物性を比較し、重い電子状態の出現にどの様な混成効果が重要であるかを明らかにした。 試料はア-ク溶解により作製し、示差熱分析で決められた熱処理を施した。当科研費の補助を受けて購入した研磨機及び金属顕微鏡を用いて試料の均一性を評価した。三化合物の内、UPd_2Inは180K付近でウランの価数変化を伴う構造相転移を起こす事が見出された。この様な5f電子系の関与する構造相転移は新しい現象であるので、現在単結晶試料を用いて低温相の構造解析を進めると共に、光電子分光で価数変化の詳細を調べている。UPd_2Inはさらに20Kで反強磁性転移を起こし、200mJ/K^2molという大きなγ値を持つ。他方、同じ型の結晶構造を持つUNi_2SnとUNi_2Inはいずれも増強されたパウリ常磁性体であり、γ値はそれぞれ52,45mJ/K^2molと見積られた。U原子とその最近接原子である遷移金属原子との距離は、UNi_2Sn、UNi_2Inでは約2.81Aであるが、Upd_2Inでは、2.95Aへと伸びる。これらの結果から、前の二者中ではUの5f電子はNiのd電子との強い混成の為に遍歴的であるが、後者ではU-Pd間の距離が大きい為に混成が弱まり、その結果、5f電子はより局在化し、反強磁性的な重い電子状態が形成されるものと理解される。 なお本研究で行なった物質探索での副産物としてCu_4MgSn構造のUNi_4SnとUNi_4In、Y_3An_3Sb_4型構造のU_3Ni_3Sn_4の存在が確認された。これらの物性研究によって、興味ある結果が得られたことを付記する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)