Project/Area Number |
01636503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00115536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 舜朗 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023445)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 抗酸化性 / 抗変異原性 / 赤血球膜 / タ-メリック / クルクミン / テトラヒドロクルクミン / β-ジケトン構造 / フェノ-ル性水酸基 |
Research Abstract |
これまで植物起源の食品を中心にビタミンE以外の新しい抗酸化成分を検討し、それらの化学構造を明らかにすると共に、in uitro系を中心に活性酸素ラジカルの捕捉剤、消去剤としての効果や生体内脂質過酸化反応の制御、抗変異原作用などについて研究を進めてきた。今年度は抗酸化活性を示す部分構造のうち、β-ジケトン構造とフェノ-ル性水酸基を併せもつ強力な抗酸化性物質を見いだし、その抗酸化活性と化学構造の相関について詳細な検討を行った。 材料としては香辛料の一つであるタ-メリック(ウコン)の黄色成分に着目した。タ-メリックには主成分のクルクミン(1)の他に2種類(2,3)の類緑体の存在が知られている。これらは強い黄色を呈するので応用には限界がある。そこでタ-メリックより3種類のクルクミン同族体を夫々単離し、これを接触還元による水素添加で、非共役のβ-ジケトン構造を有す無色のテトロヒドロ体(夫々4,5,6)を得た。この6種の化合物について赤血球膜(赤血球ゴ-スト)を用いるin uitro系で抗酸化活性を測定し、生体膜の酸化に対する影響について検討を行った。その結果、水素添加したテトラヒドロ体(4,5,6)はもとの共役β-ジケトン構造を有するものより強い活性を示した。即ちテトラヒドロクルクミン(4)はα-トコフェロ-ルと殆ど同程度の強い活性を示し、モノデスメトキシテトラヒドロキシ体(5)がこれに次いだ。これらの結果から抗酸化活性発現にはβ-ジケトンとフェノ-ル構造が非共役であることおよびメトキシ基の存在も活性に大きな影響を与えることが分かった、構造と活性の相関性については今後の一尽の検討が必要である。
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