Project/Area Number |
01636504
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
名倉 宏 東北大学, 医学部, 教授 (90022821)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 廣 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (00155954)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 局所免疫機構 / IgA / IgG / 消化菅吸収 / 消化菅リンパ装置 / Ia抗原 / 無菌動物 / 新生児 |
Research Abstract |
本研究では、本年度までに局所免疫機能が完成する前の新生児腸菅の吸収上皮細胞による母乳中の免疫グロブリンや蛋白抗原の吸収機構とその制御機構、ならびに腸菅において免疫反応を司っている消化菅リンパ装置と粘膜上皮細胞の発育分化過程を解明してきた。さらに腸菅抗原による粘膜上皮細胞ならびにそれに随伴して局在する免疫担当細胞の動態を、腸菅細菌叢を欠く無菌ラットを用い観察した。 研究成果:局所免疫機構が完成する前の新生児腸菅では、母乳中のsgAは微絨毛表層に接着し、腸内抗原の侵襲やその無為な吸収を阻止することが想像され、IgAは小腸絨毛細胞からそのFcレセプタ-を介し吸収され、上皮細胞で消化されることなく血中に輸送されて、生体内に浸入した抗原に反応すると考えられた。そして生体が成熟する過程で腸内抗原に反応する形で絨毛上皮細胞にIa抗原が表出され、また上皮細胞間リンパ球が出現し、パイエル板が形成されていくものと考えられた。腸内細菌叢を欠く無菌ラットでは、通常の環境下で飼育されているラットと比較して、上皮細胞間リンパ球数は1/10となり、絨毛上皮細胞のIa抗原の出現も見られなかった。それを通常の有菌の環境下にもどすと、絨毛上皮細胞でのIa抗原の出現と上皮間リンパ球の増加が観察された。上皮間リンパ球が極めて少ない無胸腺ラットでも、有菌環境下では絨毛上皮細胞にIa抗原が出現していた。腸内抗原摂取に重要な役割を果たしているパイエル板被覆上皮細胞についても同様の傾向であった。腸内抗原に対する生体の最初の反応としての腸菅絨毛上皮と上皮間リンパ球の役割について今後さらに検索を進めたい。また腸菅リンパ装置はTB両リンパ球の成熟分化の場であることが明らかにされつつが、そのことと腸菅抗原に対する関連をさらに解明したい。
|