Project/Area Number |
01636507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 昌之 北海道大学, 獣医学部, 教授 (80036441)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 褐色脂肪組織 / 熱産生 / 飼料蛋白質 |
Research Abstract |
褐色脂肪組織(BAT)はエネルギ-消費の自律的調節を行う特異的産熱部位である。前年度の研究で、BAT熱産生が摂食に伴い亢進し、それが視床下部腹内側核-交感神経系によって制御されていることを見出した。本年度は、BAT機能に及ぼす摂食条件の長期的影響を明らかにする目的で、窒素源の組成ないしは含量の異なる飼料で飼育したラットについて、BAT熱産生能を調べ、以下の成果を得た。(1)成長期のラットに、理想蛋白質組成に似せたアミノ酸18%(重量比)を含む飼料を13日間摂取させ、アミノ酸含量を7%に低下させた飼料の場合と比較すると、飼料摂取量は7%飼料の方が多いにも拘らず成長速度は遅く、エネルギ-効率(摂取量当りの体重増加)が悪かった。この時、BATの熱産生態をミドコンドリアへのGDP結合量で評価すると、増加していた。これらの結果から、低アミノ酸飼料ではアミノ酸要求量を満たすために総摂取食量が増加し、過剰に摂取されたエネルギ-をBATで熱として散逸し、エネルギ-バランスを維持しようとする適応がおこるものと考えられる。(2)同様の観察を、大豆蛋白質の加水分解ペプチド(平均アミノ酸鎖長3.2)を18%ないしは7%含む飼料についても行った。大豆蛋白質は、必須アミノ酸であるメチオニンの含量が少ないが、この場合も7%飼料の方がエネルギ-ル効率が低くBAT熱産生能が亢進していた。更に、先のアミノ酸飼料と比較すると、同じ窒素含量であっても大豆ペプチドの方がBAT機能亢進が著しかった。この結果も、不足するメチオニンを補うために結果的にエネルギ-摂取量が増加するためとも解釈できる。このような食飼窒素の量や質の差異が、どのような体内情報系で感知され、交感神経-BATの適応的変化を引きおこすのかについては、今後の課題である。
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