Project/Area Number |
01637506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 伸 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10101255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 一雄 京都大学, 霊長類研究所, 教務職員 (10089138)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | Tissue Factor / Factor VII / 血液凝固開始機序 / 白血病細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
1.Tissue Factor(TF)遺伝子及びタンパク質の発現・生成の制御機構を明らかにする目的で、分化状態の異なる3種のヒト白血病細胞株(ML-3、THP-1、RET-1)を用い分化誘導因子TPAによる、TFmRNA、細胞表面TF抗原ならびにTF活性の発現性への影響を解析した。TPAはいずれの細胞株に対しても強い分化作用を示し、それらの細胞増殖を抑制すると共に顕著な形態変化を惹起した。この時、TF遺伝子の著しい一過性の発現誘導が認められた。TFmRNAの発現量は2〜4時間でピ-ク(コントロ-ルの22倍)に達した後急速に減少し、24時間以内には再びコントロ-ルレベルに戻った。このTF遺伝子発現にはプロモ-タ-領域のTREが関与すること、更に、種々モノカインやプロトオンコジ-のmRNA発現に同様な“eary response"機構による遺伝子の発現抑制が示唆された。興味深いのは、TF活性及び細胞表面TF抗原のturnover rateは細胞株によって異なり、THP-1の様にmRNAと同じく非常に速い代謝回転を示す場合や、RET-1の様に24時間以降もplateuを維持する遅い代謝回転の場合もある。後者においては、細胞表層でのTF-VII因子相互作用が長期間営まれ、血管内凝固反応の活性化が持続的に進み、重度の凝血病態の要因となり得る。 2.TF-VII因子相互作用の分子機構を究明する目的で、TF分子内のVII因子結合ドメインの解析を進め、S-S結合による2次構造がVII因子との複合体形成に不可欠であること。及び、N末側領域にVII因子結合部位が存在する可能性を示した。また。糖鎖はTF-VII因子相互作用には直接関与しないが、プロテア-ゼ消化に対する抵抗性等の構造安定化には極めて重要な役割を担っていることも明らかにされた。
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