神経分化因子による伝達物質の合成および放出機構の発達
Project/Area Number |
01638502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 神経分化因子 / 伝達物質 / 放出機構 / グリア細胞腫 / コリンアセチルトランスフェラ-ゼ / レチノイン酸 / ラット胎児脳 / チロシンヒドロキシラ-ゼ |
Research Abstract |
グリア細胞腫C6産出する神経分化因子(GCM)が、各種の株化された神経系の細胞およびラット脳初代培養神経細胞において、アセチルコリンの合成酵素であるコリンアセチルトランスフェラ-ゼ(ChAT)に対しどのような作用を呈するかを調べた。NIE115、NS20Y、3T3、C6細胞では、GCMによるChAT活性の増大は見られなかった。これに対して、PC12、NG108、ラット脳初代培養神経細胞においては、GCMはChAT活性を増大させた。また、N-18細胞は、通常の条件ではGCMを作用させてもChAT活性の増大は見られないが、あらかじめDNAの脱メチル化剤を作用させておくと、GCMによりChAT活性が増大するようになった。 GCMの有効成分は、現在まだ精製されていないので、ChAT活性を増大させるより単純な化合物を探索した。この結果、レチノイン酸がGCMと同様にChAT活性を増大させることを見いだした。すなわち、レチノイン酸は、GCMと同様にPC12、NG108、ラット脳初代培養神経細胞のChAT活性を増大させた。GCM及びレチノイン酸は、カテコ-ルアミンの合成酵素であるチロシンヒドロキシラ-ゼの活性を減少させた。したがって、GCMおよびレチノイン酸は、伝達物質の合成を全般的に促進するのではなく、アセチルコリンのみの合成を促進することが明らかになった。 一方GCMおよびレチノイン酸でコリン作動性に分化したのラット脳初代培養神経細胞を脱分極刺激したところ、分化にともなって、アセチルコリンの放出能が発達していることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)