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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
発生過程における神経回路網形成の分子機構を解明することは,神経生物学の大きな目標である。運動ニュ-ロンの場合,脊髄原基の神経管には,個々の骨格筋に特異的に対応し,神経支配することが運命づけられた運動ニュ-ロンのサブタイプが存在し,運動ニュ-ロンがランダムに軸索を伸ばして骨格筋とシナプスを形成するものではない。これまでの研究結果は,運動ニュ-ロンの軸索が能動的に標的筋に到達する通路を選択することを示しているが,それを可能にする分子としては何ひとつ明らかにされていない。これら未知分子を検出する方法としてモノクロ-ナル抗体法は非常に有力な方法と考えられる。ニワトリ胚を抗原として,これまでに私の確立したモノクロ-ナル抗体SC1とM7412による組織切片の染色パタ-ンは,運動ニュ-ロンの軸索成長と時間的また空間的に大変良く相関し,運動ニュ-ロンの軸索成長を可能にする候補分子と考えられる。これらの分子の持つ機能を解析するため,ニワトリ胚からそれぞれの分子を抗体アフィニィテ-カラムで精製したところ,SC1は分子量10万,M7412は7万の糖鎖を持つ膜蛋白であることがわかった。ウサギで抗血清を作成し,抗血清によりファ-ジを使ったニワトリ全胚のcDNAライブラリ-をスクリ-ニングしてそれぞれのcDNA候補を得たが最終的な結果は得られていない。今後は(1)M7412,SC1分子のcDNAクロ-ニング・シ-クエンスを完成し,ホモロジ-検索から既知分子との関連を調べる。(2)これらのcDNAを発現ベクタ-に組み込み培養細胞に導入・強制発現させ,未知の膜蛋白であるM7412とSC1分子の機能を調べることを予定している。
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