Project/Area Number |
01638506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
辻村 秀信 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70092492)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 神経系 / 発生 / グリア / 変態 / 昆虫 / カイコ / 微小管 / ホルモン |
Research Abstract |
変態においてカイコ幼虫の神経系は劇的な再編成を行ない成虫の神経系となる。この再編成には、神経系のマクロな形態変化と、運動神経の退化や感覚神経の新たな分化を含む神経回路網の変更が含まれる。この研究では、神経系を構成するもう一つの要素であるグリア細胞の変態における変化を明らかにした。カイコ幼虫の中胸背縦走筋を支配する末梢神経の神経鞘をつくるグリア細胞は、ミエリンはつくらず細胞質を薄く伸ばし神経軸索にル-ズに巻きついている。この細胞は軸索の性質を区別しており、運動性軸索に対しては1本1本の軸索を数層に巻くが、感覚性軸索に対してはほとんど巻かず、軸索束の外側を包むだけである。また、運動性軸索に巻き付くグリアの細胞質中の各所には数十本から百数十本の微小管が結晶状に軸索と同方向に配列した構造がみられる。ところが感覚神経を取り囲むグリア細胞中にはこの構造はほとんどみられない。このグリア細胞は変態において一時的に脱分化する。すなわち、蛹期になると神経軸索への巻き付きをとき、微小管は細胞質中へ分散する。ところが、蛹後期には再分化して幼虫時と同様の構造を持った成虫の神経鞘をつくる。このグリア細胞の変化は、昆虫ホルモンによって調節されている。すなわち、蛹脱皮直後にステロイドホルモンの合成阻害剤であるイミダゾ-ル化合物(KK-42)を注射し直ちに除脳してつくった永続蛹のグリア細胞は軸索への巻き付きを解き、微小管は分散、減少していた。この永続蛹に変態ホルモンであるエクジステロンを注射し成虫への発生を開始させる。こうして得た孵化直後のカイコのグリア細胞は、正常発生の成虫のものと同様の構造をしていた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)