Project/Area Number |
01638513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
小川 正晴 高知医科大学, 医学部, 助教授 (50111951)
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Project Period (FY) |
1989 – 1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ニュ-ロン / グリア細胞 / 発生 / 分化 / 大脳皮質 / 細胞培養 |
Research Abstract |
大脳皮質を構成するニュ-ロンとグリアは初期神経管の管腔側に面する細胞層に由来する。この前駆細胞からのニュ-ロンとグリアの発生様式については、これまでに一元論・二元論等の説が提唱されてきたが、統一された理解にはいたっていない。マウス胎仔の大脳皮質細胞のin vitroにおける挙動から、ニュ-ロンとグリアの初期発生と分化の様式を検討してみた。細胞の識別は、ニュ-ロンに特異なNF,MAP-2の、グリア細胞に特異なGFA,RC-1のそれぞれモノおよびポリクロナル抗体を用いた免疫組織化学により行った。胎生11,12日令(E11,12)の大脳壁より分離した細胞群では、当初増殖に伴ってニュ-ロンの産生と分化がみられ、後れてbipotentな細胞からグリア細胞が出現した。その後グリア細胞は加速度的に増殖したが、ニュ-ロン産生は停止した。E14以降の大脳壁を管腔側から表面へと2〜3分画し、それぞれの部分からのニュ-ロンとグリアの発生を検討したところ、cortical plateを含んだ表面側部の細胞群は大部分がすみやかにニュ-ロンへと成長した。一方腔側部の細胞群からは増殖に伴ってニュ-ロンとグリア細胞が出現した。増殖に伴うBraUrdの核DNAへの取りこみと、ニュ-ロン・グリアの発生の相関を検討したところ、E11の細胞群では当初ニュ-ロンのみが、E14以降の腔側部の細胞群では主にグリア細胞が標識されて分化することが示された。またE.coliのβ-galactocidaseを組みこんだレトロウイルスで細胞標識したところ、E11の細胞からは標識されたニュ-ロンのクロ-ンが観察された。これらの結果はニュ-ロンとグリアは共通した前駆細胞より(1)ニュ-ロンのみの、(2)ニュ-ロンとグリアの、(3)グリアのみの、3段階の産生を経て発生してくることを示唆した。これは藤田晢也によって提唱されているmajor differentian説を部分的に証明するものである。更に研究を継続し、より分析的に検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)