Project/Area Number |
01638516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
小泉 修 福岡女子大学, 家政学部, 教授 (50094777)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 神経回路網形成 / 発生神経生物学 / 蛍光抗体法 / 突然変異体 / キメラ / 散在神経系 / ヒドラ / 再生 |
Research Abstract |
腔腸動物ヒドラは、動物界で最も単純な神経系、散在神経系を持ち、脳や神経節の分化が見られず体全体に神経網を形成している。最近、神経ペプチドの抗血清および単一クロ-ン抗体を用いた蛍光抗体染色法により、Whole mount標本でこの神経網を正確にかつ詳細に観察することが可能になった。その結果、散在神経系といえども体全体に神経網が均一に分布しているのではなく、神経系は多くの部分集合から成り立っていて、神経網は極めて部位特異性の高い分布を示すことが判明した。 申請者は、頭部再生中の神経網の形成過程と出芽中の頭部神経網の形成過程について、神経ペプチドRFamideの抗血清、上皮細胞の部位に特異的な単一クロ-ン抗体、形態形成異常の突然変異体とそのキメラ、などを用いて神経網の形成機構を検討してきた。 本重点研究の2年間の援助も得て、本申請の課題については現在までに以下の事項が明らかになった。 1.ヒドラの再生中の頭部神経網の形成は二段階で進行し、単一クロ-ン抗体によって示される上皮細胞の振る舞いと一致する。 2.形態形成異常の突然変異体の示す頭部神経網の再生過程の異常を同定し、頭部神経網形成は独立した2つの過程から成り立つことが判明し、先の二段階説を実証した。 3.神経細胞と上皮細胞が異なる動物株(突然変異体と野生株)由来のキメラを用いた研究から、神経網形成中の神経細胞の振る舞いは、上皮細胞に支配されることが判明した。 このように、神経網形成が、再生中あるいは出芽中の上皮細胞によって供給される環境に支配されることを、多くの例と多くのレベルで示すことができた。
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