カルモデュリン依存性プロティンキナ-ゼIIの活性発現の調節
Project/Area Number |
01638519
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
山内 卓 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究室, 副参事研究員 (90041813)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関原 俊一 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40206636)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | cDNAの発現 / カルモデュリン、Ca^<2+> / 蛋白質リン酸化 / 部位特異的変異cDNA / 欠失cDNA |
Research Abstract |
ラット脳のカルモデュリン依存性プロティンキナ-ゼII(キナ-ゼII)のαとβサブユニットのcDNAを調製し、発現ベクタ-に組込みα-cDNA,β-cDNAを単独あるいは両者同時にCHO細胞やCOS細胞に導入し、発現させることに成功した。また、α-cDNAの部位特異的変異法や欠失法による変異cDNAを構築し、発現ベクタ-に組込み、培養細胞に発現させることにも成功し、それぞれの酵素の性質を調べ以下のことが明らかとなった。(1)αおよびβサブユニット単独でも活性を示す。(2)αとβサブユニットの酵素学的性質は類似しているが、カルモデュリンに対する親和性などいくつかの相違点が見出された。(3)αサブユニット単独でも重合し、脳のキナ-ゼIIと同様の分子量を示すが、βサブユニット単独では重合しない。(4)両サブユニットとも単独で自己リン酸化される。自己リン酸化によりCa^<2+>非依存性活性が現われる。(5)αとβサブユニットは共に三つの構成部位、触媒部位、制御部位、含合部位から構成されているが、欠失cDNAの発現により、C末端部分の含合部位がサブユニットの含合と自己リン酸化による酵素活性の調節に重要である。(6)部位特異的変異法によりαサブユニットの変異cDNAを構築し、発現させて、酵素の活性を調べると、Thr286は、自己リン酸化されることにより、Ca^<2+>非依存性活性の出現に必須であること。 このように、cDNAを動物培養細胞で発現させることにより、脳の構造を使用していただけでは解析できないような、αとβサブユニットの基本的な性質と構造機能の関係を明らかにすることができた。また、部位特異的変異法により、特定のアミノ酸残基(Thr286)が酵素の活性調節に重要であることが明らかとなった。今後は、神経細胞を発現させることにより、神経情報伝達におけるキナ-ゼIIの生理的役割をさらに追求する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)