トランスポゾン挿入突然変異とその表現を抑圧する優性遺伝子の発現と機能
Project/Area Number |
01639003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
戸張 よし子 東京都立大学, 理学部, 教授 (20087125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 浩 北海道大学, 理学部, 教授 (40000814)
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Project Period (FY) |
1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 複眼形態形成 / トランスポゾン挿入突然変異 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
レトロトランスポゾンの一種(tom)の挿入によるアナナスショウジョウバエの複眼形態突然変異Omは、ゲノム中22の座位にマップされる。本研究は、形態的に特徴のある5つの座位のOm突然変異とX染色体上のOm抑圧遺伝子Som(IJ)の単離、それらの構造解析、発現機構の解明を目的とするが、本年度は以下の結果を得た。 1.すでにクローン化してあるOm(2D)63にはtom挿入位置の両側にそれぞれ一つの転写領域のあることが判明した。左側には1.4〜3.8kbの長さを有する6種の転写産物が確認された。左側では1.6kbの単一の産物が見られた。 2.1.6kbの産物は全発生過程で存在するが3令幼虫期にピークがある。このピークは野生型では3令後期にあるがOm(2D)63では3令幼虫前期にあり、転写産物の量は野生型の約2倍であった。 3.トランスポゾンtomの転写産物は一種検出された。主として蛹の時期に発現し胚から3令幼虫の間には発現はみられずOmの表現に直接関与することは考えにくい。このことは内部に欠失のあるtomの挿入でもOmを表現することを示した結果に一致する。 4.組織における発現の調査ではまだ再現性のある結果を得ていない。 5.Om(2C)を新たにクローニングできたように思える。現在その確認を進めている。他のOmのクローニングは現在進行中である。 6.抑圧遺伝子Som(IJ)のクローニングも進行中である。 7.Om(2D)63のtom挿入位置から約10kb distal側に生じたrearrangementによりOmの表現が抑圧されることが発見された。現在同領域の構造を調査中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)