哺乳類の卵および胚の成熟分化過程の研究:単一卵の定量的解析
Project/Area Number |
01640503
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 尚彦 東京大学, 医学部(医), 助教授 (80010023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 治 東京大学, 医学部, 助手 (60134574)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 未受構卵 / 卵胞卵 / 初期胚 / 卵胚培養 / エネルギ-代謝 / デオキシグルコ-ス / 性ホルモン / ヘクソキナ-ゼ |
Research Abstract |
マウスとラットの単一卵と単一初期胚を培養し、独自に開発した超微量分析法を用いて、卵胞卵から胞胚までのエネルギ-代謝関連酵素活性の測定と、内在性のglucoseとglucose 6-phospahte(G6P)の濃度測定および、2-deoxyglucose(DG)の取り込みと2-deoxyglucose-6-phosphate(DG6P)生成能の分析を行った。その結果、1)卵胞卵が排卵されて受精するまで、未受精卵ではエネルギ-代謝関連酵素群のうち解糖系酸素(malate dehydrogense)とTCAサイクルの酵素(malate dehydrogense)の活性は著しく増加するが、五単糖シャント系酵素(G6P,6-phosphogluconate dehydrogenase)の活性は、本来の高い値から急激に減少した。2)ヒトの未受精卵でも、解糖系酵素の活性は低かった。3)単一卵のglucose濃度は、卵胞卵から受精直前の未受精卵まで1/10に減少し、受精を契機として跳躍的に6倍に、また胞胚まで受精1細胞卵の4.5倍に指数関数的に増加した。4)G6P濃度はglucose濃度の1/10以下であり、卵細卵から胞胚まで連続的にほぼ3倍まで指数関数的に増加した。5)未受精卵自身はDGを取り込むことが出来ず、卵丘細胞に囲まれた卵(卵丘細胞卵複合体)にDGを取り込ませると、卵丘細胞が取り込んだDGを、卵細胞が卵丘細胞とのgap junctionを通じて取り込む。6)受精を契機として、卵の細胞膜にglucose carrier(またはtransporter)が発現し、胚の成熱と共に取り込み活性は急激に増加する。7)桑実胚にはfast trappig pool(急速にDGを取り込むが、そのDGは代謝されない)とmetabolic pool(ゆっくりDGを取り込み代謝する)の2つのglucoseの取り込みpoolがある、などの事実が明らかになった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)