Project/Area Number |
01640504
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 健雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (00124222)
|
Project Period (FY) |
1989
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1989: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 卵成熟促進因子 / MPF / サイクリン / cdc2 / 減数分裂周期 / ヒトデ卵 / 蛋白質複合体 / M期制御 |
Research Abstract |
動物卵の成熟は、卵成熟促進因子(MPF)が卵内で活性化されることにより誘起される。MPFは真核細胞に共通の分裂中期誘起蛋白質であり、本研究計画では、MPF活性の制御機構を鍵として、卵成熟分裂周期を調節する機構を解明することを目ざしている。 活性型MPFの分子的実体は、分裂酵母cdc2遺伝子産物ホモログと分裂期特異的蛋白質サイクリンとの複合体であると最近考えられ始めている。筆者らは昨年度にヒトデ卵サイクリンのcDNAをクロン化したので、本年状はまずその塩基配列を決定した。その結果、ヒトデ・サイクリンは395アミノ酸からなり、予測される分子量ま48kdで、B型サイクリンに属すると判明した。クロン化したcDNAをもとに合成したサイクリンmRNAは、ヒトデやカエル未成熟卵に微小注射するとそれだけで卵成熟を誘起した。他方、アンチ・センス版はヒトデ受精卵の卵割を抑えた。 次に、クロン化したヒトデ・サイクリンcDNAを大腸菌に組込み、過剰発現させた蛋白質を抗原として、抗サイクリン抗体を得た。これを用いてヒトデ卵成熟過程におけるサイクリンの動態を解析したところ、未成熟卵中にサイクリン蛋白質は既に存在し、第1極体放出時に一旦消失するが、第2減数分裂中期に再出現し、第2極体放出時には再消失して、その量が卵成熟分裂周期に応じて変動することが確かめられた。さらに抗サイクリン抗体による免疫沈殿物について抗cdc2抗体で解析したところ、サイクリンとcdc2蛋白質とは未成熟卵でも既に複合体を形成していた。つまり不活型のMPF前駆体もサイクリンとcdc2蛋白質との複合体であるといえる。さらにこの複合体の中で、cdc2蛋白質がリン酸化型から脱リン酸化型に修飾されることがMPFの活性化に関わっていることが判明した。この後、サイクリン蛋白質の分解によって、MPFの不活化に至ると考えられる。
|